――そうした事情を背景に、アレルギーの人でも食べられるアレルゲンフリーのチョコが誕生したわけですね。
細川 チョコは油脂が多いので、アレルゲンフリーでつくるには専用の製造ラインを用意しないといけなくなります。メーカーさんにとっては負担になるので、なかなかつくられることがなかったんです。
そんななか、岐阜県にある日幸製菓さんは、通常ラインとは別の場所に工場をつくってまでアレルゲンフリーのチョコをつくってくださって、今アレルギーの人たちの間ではすごく話題になっています。日幸さんはもともと普通のチョコをつくるメーカーだったんですが、会長さんが引退されることになって、アレルゲンフリーチョコレートの製造に特化したアレルゲンフリーフーズを設立し、製造を開始してくれました。アレルゲンフリーフーズさんは、65歳以上の高齢者を雇用し、アレルゲンフリーチョコレートの製造販売によって得た利益は事業維持継続に必要分を除き、全額を児童養護施設へ寄付されるなど、ものすごい社会貢献をされている素晴らしい会社です。
生まれて初めて食べたチョコの味に感激
――このチョコの存在は、どうやってお知りになったんですか。
細川 インスタグラムのDM(ダイレクトメッセージ)で連絡をいただいたんです。アレルギー関連の情報を発信しているので、いろいろなメーカーさんから連絡をいただくのですが、日幸さんから「こういうチョコがあるので、一度食べてみてください」という連絡がきたんです。
――食べてみて、どうでしたか。また、普通のチョコと比べて味はどうなのでしょうか。
細川 私は普通のチョコを食べたことがないので比較できないのですが、乳製品を使っていないチョコというと、カカオの使用量を多くしたビターなものがほとんどで、「チョコ=苦い」というイメージでした、でも、アレルゲンフリーフーズさんのチョコはそうではなくて、口の中に甘みが広がりました。子どもでも食べられるように甘くするために、カカオを練り込んでからの熟成期間を長くすることで、苦みを抑えた味にされているそうです。
また、チョコを食べるときは「のどがイガイガするんじゃないか」と心配しながら食べるんですが、その心配はまったくありませんでした。海外のダークチョコのように苦かったり固かったりすることもなく、本当に感動しました。
――それで、工場見学会を企画されたんですか。
細川 東京、大阪、福岡で「おしゃべり会」という名の座談会をやっているんですが、「名古屋でもやってほしい」という声があったので、この機会に名古屋で座談会と工場見学のイベントを企画しました。参加したお子さんも、生まれて初めての工場見学を体験したり、できたてのチョコを食べたりして大喜びでした。
アレルゲンフリーフーズさんのチョコは、最初に「ダーク」、新たに「マイルド」が出ているんですが、そのときは「マイルド」の発売前だったので、「ダークとマイルドのどっちがおいしいか」というアンケートをとったりもしました。すでに2回やって、年内にあと2回の工場見学を予定しています。
アレルゲンフリーフーズの「アレルゲンフリーチョコレート マイルド」