花粉症の人にとっては、1年でもっとも嫌な時期が2~4月である。
昨年(2018年)の夏が記録的に高温・少雨であったこと、昨年末の調査で多くの地域でスギ雄花が豊作であったことから、今年のスギ花粉は「平年より多い」と予測されている。「昨年11月の気温が高かったため、今年のスギ花粉飛散開始時期は例年より遅れそうだ」と予測されているが、2月の初めからは大量飛散してくることを覚悟していたほうがよさそうだ。
花粉症発症のメカニズムは、花粉(タンパク質=抗原)が鼻粘膜や呼吸器を通して体内に侵入してくると、それをやっつけるために白血球が抗体をつくる。抗原と抗体が結びついた「抗原抗体結合物」が体内のマスト細胞などを刺激してヒスタミンを分泌させて、鼻水、くしゃみ、咳、流涙などのアレルギー反応を起こす、というのが西洋医学的な見解である。
まさにその通りであるが、花粉を鼻粘膜や呼吸器から吸い込んでも、アレルギー反応を起こさない人もたくさんいらっしゃるのだから、花粉は“原因”ではなく“誘因”にすぎないということになる。
「アレルギー」の症状は、
アレルギー性鼻炎…くしゃみ、鼻水
アレルギー性結膜炎…涙
アレルギー性皮膚炎…湿疹
アレルギー性喘息…薄い水様痰を伴う咳
のごとく、体内の余分な水分を体外へ排泄している状態であることがわかる。
つまり体内に水分が多い人の症状なのである。標準体重の人でもその約60%は水分なのだから、運動を十分にしない人で太っている人は、体内にさらなる余分な水分をため込んでいることになる。
1957(昭和32)年の日本人の脇の下の平均体温は36.9℃もあったという。今は35.8~36.0℃が平均で、60年前と比べ約1℃下がっている。体温が下がると、体内のあらゆる代謝が低下する。その結果、端的に現れる症状として、「発汗や排尿の減少」がある。つまり、「体内に余分な水分がたまる」ことになる。
「雨に濡れると体が冷える」し、「冷却水」という言葉があるように、体内の余分な水分はさらに体温を下げる。人体内のあらゆる反応が、熱によって起きているのだから、「体を冷やす余分な水分は排泄しなければいけない。その様子がアレルギー反応である」ととらえることもできる。