2006年に「ユニクロ」の兄弟ブランドとしてデビューしたファストファッションブランド「GU」。ユニクロのアイテムはスタンダードなデザインのものが多いのに対し、GUは世界的なトレンドを研究しており、デザイン性の高いアイテムが多いのが特徴である。
店舗数を440店(2022年2月28日現在)まで拡大しているGUだが、昨年の秋冬シーズンからコンセプトとして「エイジレス」「ジェンダーレス」を掲げている。これは多様化するライフスタイルに対応すべく、年齢・体型・性別といったカテゴライズもなくしていくという考えが根底にあるそうだ。
そんなGUの服は若者を中心に人気を集めているが、それゆえに大人のビジネスパーソンだと着こなしが難しいアイテムも少なくない。そこで今回は“この夏、要注意(?)なGUの服”を5品リストップし、ファッションライター経験もある恋愛コラムニスト・恋愛カウンセラーの堺屋大地氏に、その理由を解説してもらった。
今回、以下の3つを基準として選定した。
・ファッションビギナーが着るとダサくなる可能性が高いこと
・“最先端のおしゃれ”すぎて一般ウケしない場合があること
・無理に若ぶっているように見えるなどして女子ウケが悪いこと
オープンカラーシャツ(5分袖)(バンダナ)/1990円(税込、以下同)
バンダナ柄を採用したレーヨン100%のオープンカラーシャツで、なめらかな触感や程良い落ち感が魅力。ひんやり感じる接触冷感素材となっているので、夏場も涼しげに着こなせるのもポイント。カラバリ(カラーバリエーション)はブラック、カーキの2色展開。
「要注意な理由はズバリ、柄ですね。ペイズリーなどもあしらったバンダナ柄は、ストリートスタイルの定番ですが、大人男性が着るには若々しすぎます。10代から20代前半までの方が着るのはいいでしょうが、30代以上の男性が着ると、無理して若ぶっている感や、無理してイキッてる感が出てしまうリスクがあるでしょう」(堺屋氏)
ウォッシャブルリラックスフィットチルデンニットベスト/1690円
チルデンニットを採用し、Vネックラインが絶妙なアクセントになっているベストで、少し肩を落としてあるリラックスフィットデザインも特徴。自宅の洗濯機で洗えるマシンウォッシャブル機能付きなのも嬉しい。カラバリはベージュ、グリーン、ネイビーの3色展開。
「夏のプレッピースタイル的な着こなしができるベストですね。ただ、プレッピーは名門私立学校に通う良家のお子様たちをイメージしたスタイルなので、大人男性がこのベストをかっこよくコーデに取り入れるのは相当なセンスを要すると思います。着るとしたらラフなTシャツとレイヤードするのがベターだと思いますが、それならTシャツ一枚で勝負したほうが無難でしょう」(同)
リラックスフィットボーリングシャツ(5分袖) TOKYO REVENGERS/1490円
原作漫画の累計発行部数が5000万部超えという大人気アニメ『東京リベンジャーズ』とGUのコラボシリーズ。こちらのボーリングシャツはライトグレーの生地をベースに、襟をブラックの生地に切り替えたデザインになっている。
「正面から見るとわりとシンプルかつシックなシャツになっているので、一見すると大人男性でも着こなしやすそうですが、問題は背面。背中に『初代』『Tokyo Manji Gang』の文字とともに、作中屈指の人気キャラ・マイキーのシルエットが大きくあしらわれているんです。『東京リベンジャーズ』は面白いですしマイキーというキャラはかっこいいので、ティーンエイジャーが着るなら様になるのかもしれませんが、さすがに大の大人がこのイケイケのデザインを背中に背負うのは避けたほうがいいでしょう」(同)
グラフィックT(半袖) Michael Jackson 1/590円(※値下げ後価格)
今なお高い人気を誇る“キング・オブ・ポップ”マイケル・ジャクソンとのコラボTシャツ。白地の前身頃にアルバム『BAD』のCDジャケットのデザインが大きくあしらわれている。
「超絶ヒットしたアルバムなのでご存知の方も多いと思いますが、『BAD』のCDジャケットはマイケル自身がどーんと写っているんです。つまりTシャツ前面にマイケルがインパクト抜群でいるので、彼の存在感の強さに着ているほうが負けてしまうでしょう。それとマイケルがどうこうという以前に、大きなプリントが胸にあしらわれたTシャツは、大人男性だと着こなしが難しいという理由もあります。今回のマイケルコラボシリーズには、胸にワンポイント刺繍だけ入ったTシャツや、プリントが背中にあしらわれたTシャツもあり、そちらは大人男性もかっこよく着こなせるのでおすすめですね」(同)
カラーデニムシェフショーツ/1290円
ウォッシュド加工を施しヴィンテージテイストに仕上げたショーツで、膝上丈のゆったりシルエットも特徴。ウエストゴム仕様でラクな穿き心地を実現しており、ドローコードでフィット感を調整できるのもグッド。カラバリはピンク、イエロー、ブルーの3色展開。
「率直に言って、要注意な理由は色にあります。ブルーならまだ似合うかもしれませんが、さすがにピンクとイエローは印象が若々しすぎて、大人男性がおしゃれに着こなすには難易度が高すぎますね。センスに自信があるファッション玄人であればピンクやイエローに挑戦してみてもいいと思いますが、おしゃれに自信がない方は避けたほうがいいでしょう」(同)
GUのアイテムは若者をメインターゲットとしており、トレンドをキャッチしたデザインになっているため、そもそも大人男性が着こなすのは難しい服が多い。今回紹介した服はセンスが良い人でないとダサくなりがちなので、ファッションビギナーは避けたほうが無難だろう。しかしGUには、トレンドを押さえながらも大人っぽい見た目のシンプルな服もあるので、GUで買い物をする際にはなるべくプレーンデザインの服を中心に見て回るといいかもしれない。
(文・取材=A4studio)
※情報は2022年7月11日現在のものです。