「高血圧」のまやかし…低すぎる基準はデタラメ?降圧剤は脳梗塞や認知症のリスクも
高血圧症は、全国で約4000万人の患者がいると推定されており、日本最多の病気です。
その高血圧症患者に処方される降圧剤(血圧降下剤)は、血圧を下降させる目的で使われます。降圧剤を服用している方は日本中で3000万人を超え、降圧剤ビジネスの市場は1兆円規模になりました。今や50歳以上の日本人の4割近くが、血圧を下げるために毎日せっせと降圧剤を飲んでいます。
これほど服用者が増えたのは、ひと昔前まで「年齢+90」または160とされていた最高血圧の上限目安が140に引き下げられ、さらに130台でも「異常に近い」という扱いをされるようになったことが原因です。
降圧剤の服用者は、年々増え続けています。薬は飲みたくないと思っていても、医師から「脳卒中や心臓病のリスクが高くなる」と言われると、つい飲んでしまうという方も多いようです。それほど私たち日本人は、「高血圧=脳卒中や心臓病のリスク」というイメージが刷りこまれています。
厚生労働省の調査によると、1980年までは脳卒中が死亡原因のトップでした。そのようななかで、「高血圧=脳卒中予備軍」「正常血圧=脳卒中の心配なし」と色分けされると、血圧を下げてくれる降圧剤は唯一の救世主のように思い込んでしまうのも仕方がないことです。
しかも、多くの日本人は血圧の基準値を道路の制限速度のようにとらえがちです。つまり基準値を超えると違反であるかのように思い込んでいるのです。
しかし、至適血圧(理想的な血圧)は人それぞれ違い、最高血圧150くらいがもっとも快適という人もいれば、100くらいがベストという人もいるのが当たり前ではないでしょうか。血圧は本来かなり個人差があるものです。正常血圧や基準値とされる数字は参考程度に考えてみてはいかがでしょうか。
降圧剤でかえって脳梗塞になる?
突然ですが、キリンの血圧をご存じでしょうか。キリンは、あの長い首を通って血液を頭まで運ばなければならないので、最高血圧が270、最低血圧も170あるそうです。この「キリンの法則」を考えてみれば、身長190cmの人と150cmの人の血圧の基準値が同じであるほうが不自然に感じるのではないでしょうか。
最高血圧150ぐらいが最適の人が降圧剤を飲んで130にまで下がれば、血の巡りが悪くなって活動的でなくなるだけでなく、圧力足りないために脳まで血液が届かずに脳梗塞や認知症を引き起こすことになりかねません。
脳出血を恐れて降圧剤を飲んでいるのに、なぜ、脳出血のひとつである脳梗塞が起きることがあるのでしょうか。
『それでも薬剤師は薬を飲まない 』 ベストセラー『薬剤師は薬を飲まない』の待望の続編
『薬を使わない薬剤師の「やめる」健康法』 健康のために何かを「する」ことで、不健康になるのはなぜ?「足し算」ではなく「引き算」の発想が、健康と幸せを引き寄せる!ベストセラー『薬剤師は薬を飲まない』『薬が病気をつくる』の著者がやさしく解説する。運動、食事、日常の小さな習慣―51の「やめる」で自然治癒力を高める方法。