人生100年時代といわれるようになり、セカンドステージと呼ばれる定年後も、20年~30年生きることになる。定年後のその時間は、下り坂に身を任せて過ごすにはあまりにも長い。
漫画家の弘兼憲史氏は、人生100年時代のフィナーレをハッピーに迎えるために、第二の青春時代として「老春時代」と呼んでいる。ただ漫然と過ごすだけでは、良い老春時代を生きることはできない。変化を恐れず、何かにチャレンジして、それを楽しむ姿勢が求められる。
第二の青春「老春時代」を充実させる秘訣とは
『弘兼流 70歳からのゆうゆう人生-「老春時代」を愉快に生きる』(弘兼憲史著、中央公論新社刊)では、第一線で活躍し続ける漫画家の弘兼憲史氏が、愉快で快適なセカンドステージを築くための秘訣を紹介する。
老春時代を楽しく過ごすためにも、可能な限り、ITのスキルを高めておくことが重要だ。今のご時世、定年を過ぎている人もスマホくらいは持っているケースが多いが、使いこなせている人は案外少ないもの。そこは恥ずかしがらず積極的に若い人に学べばいい。
これからはビジネスシーン、プライベートシーンでも、直接人と会う機会は減っていく。他人とのコミュニケーションが、好む好まざるに関係なく、IT中心になっていくのは間違いない。日常生活に困らない程度のスキルを身につけることが、人生後半の快適幅を広げることにつながるのだ。
人間にとって最後まで重要となるのが、人間関係の紡ぎ方だ。とくに高齢になると肉体的にも精神的にも少しずつ衰えていく。それにより、本当に自分にとって必要なものや時間必要な人間関係がはっきりしてくる。この中で人間関係の紡ぎ方が、必要な時間や必要なものと結びつく要素となる。
人生の残り時間は限られている。余計な人との余計な付き合いは時間の無駄づかい。一緒にいて愉快になれる人たちとできるだけ長い時間過ごすことを優先すべき。その相手は、見栄や体裁など一切必要とせず、お互いの弱みやみっともなさも含めて許容し合える関係であり、同時にそれを気遣い合える間柄がいい。そのような「死ぬまで付き合える人間」を3人ほど持つことが理想だ。
誰もが平等に歳を重ね、いずれは定年後の時間を過ごすことになる。どうすれば楽しく、快適な生活ができるのか。弘兼流の「老春時代の造り方」を参考にしてみてはどうだろう。(T・N/新刊JP編集部)
※本記事は、「新刊JP」より提供されたものです。