たとえ血縁関係のある親子であっても、仲良くいられるとは限りません。悲しいことですが、決定的に対立してしまったり、互いに憎しみ合う親子は決して珍しくはないのです。
特に、暴力や過剰な干渉によって子どもを支配下に置こうとするような人物が親だった場合、親子関係が悪くなるだけではなく、子どもの生涯が台無しになってしまう可能性もあります。
『毒親からの完全解放―本当の自分を取り戻して幸せになる7つのステップ』(アチーブメント出版/刊)の著者、影宮竜也(かげみや・たつや)さんも、こんな「子どもを支配しようとする親(毒親)」に育てられた一人。現在は毒親カウンセラーとして、毒親のもとで育った人(毒親育ち)たちの自立のサポートをしている影宮さんですが、同氏によると「毒親」が子どもを支配する方法にはさまざまなものがあるといいます。
「肉体的暴力」タイプ
これはいわゆる「体罰」です。「教育」や「しつけ」の名目で、子どもに体罰を与える親がいますが、子どもの心に恐怖や怒りを刷りこむ危険がある体罰は、立派な暴力。こんな手段で教育をする親は、もちろん「毒親」です。
「精神的暴力」タイプ
暴力には肉体的なものだけではなく「精神的暴力」もあります。代表的なものが「言葉の暴力です。
「誰のおかげで飯が食えると思っているんだ」
「言うことを聞かないなら出ていけ!」
といった言葉が代表的で、言われた子どもに大きな傷を残す可能性があります。
親に頼らないと生きていけない子どもに「衣食住」をちらつかせて押さえつけるのは、あまりにも卑怯ですよね。
「放置(ネグレクト)」タイプ
育児放棄は明らかな虐待ですし、これを行っている親はまぎれもない「毒親」です。
親の役割を理解していない大人が親になってしまうことで起こるネグレクトですが、放置も一種の暴力だといえます。
「過干渉」タイプ
子どもに対して過度に先回りして、世話を焼いてしまう「過干渉タイプ」は、一見「細やかで愛情深い親」に見えることが多いため、見極めにくい「毒親」です。
しかし、何でも親が準備して、レールを敷いてあげるような環境は、子どもから主体性を奪います。これでは、結局子どものためにはならないのです。
「性的暴力」タイプ
子どもに性的な行為を強要する親は、現実に存在しています。こんな親は言語道断として、「配偶者や子どもにばれても平気で浮気を繰り返す親」や「子どもに夫婦の性的な営みを見られても平然としている親」も、子どもの人格形成に暗い影を落としてしまう可能性があることは覚えておくべきです。
そう考えると、このタイプの「毒親」は、思ったより多いのかもしれません。
「毒親」は今回取り上げた5つのタイプ以外にも、「サイコパス」というまったく異なる毒を持つ親も存在します。また、一人の親が複数のタイプの特徴を併せ持っていることも多いはずです。
もし、「自分の親は毒親かもしれない」と思い当たる節があるのなら、嫌な思いを我慢して親と付き合い続けるのではなく、思い切って決別する(きっぱり別れ、連絡を絶つ)のも一つの方法です。
親と決別する勇気を手に入れ、実際に決別するための具体的な方法が7つのステップでわかりやすく記されている本書は、親との関係に悩む人の心強い武器となるはずです。
(新刊JP編集部)
※本記事は、「新刊JP」より提供されたものです。