ラーメン店になぜ行列ができるのか? 麺、スープ、チャーシューなど、こだわればこだわるほど客に伝わる何かが生まれるからこそ、新しい味を求めて行列ができるのではないでしょうか。客が店に来るたびに「美味しかった」と言わせるためには、毎日少しずつ進化し、美味しくなっていることが必要なのです。「あの店は、いつ行っても美味しい」と言わせるためには、同じ味を出し続ける以上に、飽きさせない進化が必要なのです。
ラーメンの美味しさをyとすると、ラーメンの美味しさは次の式で表すことができます。
y=麺の美味しさ+スープの美味しさ+チャーシューなどの具の美味しさ
麺、スープ、具がそれぞれ美味しくても、全体のバランスが良くなければ美味しく食べることができません。また、店内が汚く、店主に笑顔がなければ、店に近づきたくなく思えるのです。
今回は、一芸を極めたプロの味を提供するラーメン店を見極めるヒントについて考えてみましょう。
(1)麺にこだわる
「自家製麺」と看板に表示のあるラーメン店でも、製麺業者から仕入れを行っている店があります。店の中を見渡しても製麺機がなく、製麺する場所もないのです。店のレシピで製麺業者に麺をつくらせているのだと思いますが、客から見るとこれでは自家製麺といえません。
筆者がかつて中国に行った時に、道ばたのラーメン店や工場の社員食堂でも粉からきちんとつくっていたのには驚きました。ラーメンの麺は、小麦粉、塩、かん水が主な配合です。基本配合に卵を入れてコシを強くしているお店もあります。粉を配合して麺体にし、何度もローラーをかけて薄くのばしていきます。ローラーで圧延を何度かけるかで麺のコシが変化します。麺体をすぐに切り出し麺にする場合と、翌日以降に切り出す場合があります。麺体のまま翌日まで置いておくことを麺体熟成といいます。麺体のまま熟成させることで、茹でたときに麺がのびにくくなります。