このような台詞をあちこちで聞くような季節になった。街もクリスマスモードに変わりつつあり、年末の雰囲気は確実に高まっている。クリスマスといえば、恋人たちの季節だ。バブル時代には高級ホテルで過ごす恋人たちも少なくなかったが、デフレが長く続いた現在では、クリスマスをどのように過ごしているのだろうか?
1年前のデータになるが、結婚準備口コミサイト「ウエディングパーク」が、独身女性に『クリスマスの予定』についてアンケート調査を行った。その結果、独身女性の65.4%が「予定がある」と答え、予定がある女性の88.2%が「恋人と一緒に過ごす」と回答した。昔も今も、クリスマスは恋人と過ごすのが定番ということがわかる。
今頃恋人たちは、クリスマスに向けて、心躍る予定を立てているだろう。恋愛の気持ちが高まると、服の購入も増えるといわれる。そこで現在、服の購入が増えているのかどうかを見てみよう。
インターネット調査会社マクロミル社が定点観測している「MACROMILL WEEKLY INDEX」のデータから、「買ったもの」>「洋服」を見てみると、11月に入り2.5ポイントも急に増加している。4月に消費税が5%から8%へと増税した後、景気が落ち込んでいる状況下としては際立った伸びである。クリスマスを含めた年末のイベントへ向けて、財布の紐が緩んできていると思われる。
さらに詳細にみてみると、服の購入は、秋に入った9月頃から緩やかに伸び続けている。これは何が要因なのだろうか?
ファーストリテイリングが発表したユニクロ事業の売上推移速報によると、直営店とダイレクト販売の合計売上高が9月は前年比122.0%、10月は113.9%と伸びている。同社は「気温が低く推移したことから、秋冬物商品の販売が好調」と分析している。例年よりも早く秋が訪れたことが、服が売れている要因の一つになっていることがわかる。
●恋愛格差は広がっている?
さて恋愛の話に戻ろう。先の独身女性へのアンケートから、3割以上の女性がクリスマスに「予定がない」ことも見て取れる。
明治安田生活福祉研究所がマクロミル社と共同で調査した「20~40代の恋愛と結婚」という興味深いデータがある。これによると、「交際経験がない」と答えた女性は、20代で23.3%、30代で15.8%、40代では13.5%もいる。意外にも恋愛とは縁のない女性も相当数いるのだ。
しかし、男性のデータを見るとさらに驚く。20代男性の実に40.7%が「交際経験がない」と答え、30代で33.5%、40代でも24.0%に及ぶのだ。女性の倍近い割合の男性が、交際経験がない。
「草食男子」という言葉を聞くようになって久しいが、統計データでそれが裏付けられたといえるだろう。しかし、このデータを裏読みすると、別の事実も見えてくる。すなわち、一握りの男性が、多くの女性と付き合っている、という事実である。
恋愛においても、格差が広がりつつあるのかもしれない。
(文=鈴木領一/ビジネス・プロデューサー)