どうぶつの森、大ヒットでNintendo Switchのアプリ利用が4倍に!他の人気ゲームは?
ダウンロードしたものの、数回使っただけで休眠状態だったり、アンインストールしてしまったりしたアプリがある人も多いはずだ。テレビCMなどでは「数百万ダウンロード突破!」と威勢のいい言葉を聞くが、実際にどんなアプリがどの性年代にどのくらい使われ続けているのか。
本連載では、ダウンロード数だけでは見えない「アプリの利用率」をモニターの利用動向から調べるサービス「App Ape」を提供しているフラーに、四半期ごとに人気アプリの実態について聞いている。
前編に続き、新型コロナウイルス(以下、コロナ)禍にある今回は特別編として、同社のオウンドメディア「App Ape Lab」編集長の日影耕造氏に、2020年第1四半期(1~3月)、さらに緊急事態宣言が出された4月の状況も含め、アプリの動向を聞いた。
“あつ森効果”でスイッチのアプリ利用が4倍に
――今回は、エンタメ系のアプリについてうかがいます。
日影耕造氏(以下、日影) 図1は、主要アプリの1月15日~2月14日のDAU(Daily Active user:1日に一度以上、そのアプリを立ち上げたユーザーの数)を基準に、3月、そして4月以降の1週ごとにDAUの増減を比較したものになります。
まず、ゲームです。「Nintendo Switch Online」は携帯ゲーム機Nintendo Switchでオンラインプレイをする際に必要なアプリになります。1~2月に比べ、3月は2.7倍、4月はどの週も4倍以上伸びています。これは、3月20日に発売された人気タイトル「あつまれ どうぶつの森(あつ森)」の影響が大きいでしょうね。
――「あつ森」とNintendo Switch本体が同封された「あつ森セット」が売り切れ続出だと話題になりましたね。
日影 では、次にNintendo Switchのゲーム以外の、スマホゲームの人気タイトルを見ていきましょう。図2はGoogleランキングで上位のおなじみのゲーム「LINE:ディズニーツムツム」「ポケモンGO」「モンスターストライク」「ドラゴンクエストウォーク」「Gate/Grand Order」のDAUの推移になります。
――ちょっと意外な結果です。前編からさまざまなジャンルのDAU推移を見てきましたが、ほかのジャンルよりも「伸びている」感がないですね。
日影 「App Ape」において、DAUとは1日に一度以上アプリを立ち上げたユーザー数になるので、「利用時間」とは関係ありません。おそらく、巣ごもりで長時間ゲームをしている人は増えているのだと思いますが、DAUという観点で見ると、むしろ図2のどのゲームも、期間限定イベントが集中しCMなどでも積極的にPRしている年末年始のほうがDAUが多いことがわかります。
また、「Nintendo Switch Online」はポケモン、マリオ、あつ森など人気タイトルを抱える「Nintendo Switch」をオンライン利用するにあたっての共通アプリですから、個々のゲームタイトルよりも伸びは当然よくなりますよね。
動画配信はアマゾンプライムが躍進
日影 最後に、ゲーム同様に巣ごもりで需要が増していると思われる動画配信サービスです。図3は、「Amazonプライム・ビデオ」「ABEMATV」「Netflix」「Hulu」のDAU推移になります。
――「Amazonプライム・ビデオ」はしっかり右肩上がりですね。他社も、先ほど図2で見たゲームよりは全体的に増加傾向ですね。
前編からさまざまなアプリを見てきましたが、テレワーク、教育系、ケータリング、Nintendo Switch Onlineは飛躍的な伸びでしたが、案外ほかは横ばい~微増程度という結果が多かったですね。
日影 特に、4月に比べて3月は横ばいの傾向が強いですね。というのも、3月30日に小池百合子都知事による自粛要請があり、翌月の4月7日に緊急事態宣言が出されました。3月も休校要請でお子さんのいる家庭では生活の変化が大きかったと思いますが、国民全体に大きな生活の変化が出たのは4月に入ってから、というのもあるのでしょうね。
――小池都知事が自粛要請を発表した3月30日の前日には、志村けんさんが亡くなっています。3月はそれまで「自粛疲れ」という言葉があったくらいですが、志村さんの件で、コロナに関しての雰囲気は一変した感がありますね。
日影 こうしてグラフで各アプリのDAUの推移を見ると、3~4月は多くが「横ばい~微増」ですが、一方では各社がユーザーの可処分時間を奪い合っている状況です。ましてや、この3~4月はテレワーク、教育系、ケータリング、Nintendo Switch Onlineなど、大きく伸ばしたアプリもあり、つまり、その分時間を「取られている」状況と言えます。そのような中で、特に通販など、すでにユーザー数が大勢いるアプリがさらに「微増」したのは、変化と言えるかもしれませんね。
【参考資料】
「コロナウイルス深刻化から2カ月、アプリのデータから見えたコミュニケーションの“激変”」(App Ape Lab)
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