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プレステVR、一瞬でブーム終了…低レベルでゲーマーの失望深刻、販売小出しで話題づくり

文=森江利子/清談社
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「若い世代を中心に、スマートフォンアプリのゲームが主流になってきているなか、新しい据え置きゲーム機器を出す以上、『ゲーム性とは別の付加価値』を打ち出して話題づくりをすることが何より重要です。

 PSVRの場合、初期出荷数200万台のうち、日本国内に出荷したのはわずか5万台程度。供給が極端に絞られたことで品薄となり、それで騒がれた面が大きかったと思います」(同)

 現在、PSVRは追加生産分の購入を抽選方式のみで行っているが、こうした販売手法を続けるのも同じ理由からだという。

「ガンガン売り切ってブームを完全に終了させるよりは、小出しにしながら、なんとか発売当初の話題性を存続させたいからでしょう」(同)

任天堂の「3DS」を彷彿とさせる、PSVRの末路

 PSVRの惨状を見て思い出されるのは、11年に任天堂が発売した携帯ゲーム機「ニンテンドー3DS」(以下、3DS)のケースだ。3DSの事情に詳しいゲームライターが語る。

「3DSは発売当時、立体視による3D画面でのプレイが、従来のゲーム機にはない新機能として注目を浴びました。しかし、キラータイトルが不足し、また前世代機の『ニンテンドーDS』と比べて高価だったことなどから、販売台数が伸び悩み、発売からわずか半年で異例の本体価格引き下げを余儀なくされたのです」

 値下げなどのテコ入れにより、3DSは現在、国内で2300万台(17年3月時点)、全世界では6600万台(同)を販売するヒット商品となっている。

 しかし、その一方、昨年の年間ソフト売り上げ首位となる381万本(国内)を記録した『ポケットモンスター サン・ムーン』をはじめ、現在の3DS向けのソフトには「3D機能非対応タイトル」が数多く発売されているという。

「一番の目玉のはずの3D機能が形骸化し、ユーザー側も3D機能に期待していないという、なんとも皮肉な結果となっているのが3DSの現状です。『3D機能は新しいゲームとしてのインパクトはあったが、機能はあくまでおまけ。ゲーム性そのものの評価には直結しない』ということを、3DSが身をもって証明してしまったわけです」(前出のゲームライター)

 この構図は、現在のPSVRを取り巻く状況とそっくりだ。しかも、3DSはゲーム機本体だが、PSVRの場合はPS4の付属デバイスでしかない。このままなら、フェードアウトしてしまうのは時間の問題だ。

「PSVRは、再来年くらいには『あんな変なのもあったな』なんて懐古されているのではないでしょうか」(後藤氏)

 なんとか盛り返して市場を開拓していくのか、それとも3DSのような皮肉な結果に終わるのか。PSVRは、まさに正念場を迎えたといえそうだ。
(文=森江利子/清談社)

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