マッチングアプリ「Pairs」が1年で利用者倍増…20~30代男性に人気の“出会い系”トップ3
コロナ禍の今、どのようなアプリが使われているのか。「アプリの利用率」をモニターの利用動向から調べるサービス「App Ape」を提供しているフラーは、「モバイルマーケット白書 2020」を発表している。2020年は新型コロナに翻弄された1年とも言えるが、そのような環境下でどのようなアプリが伸びているのか? 同社のオウンドメディア「App Ape Lab」編集長の日影耕造氏に聞いた。
20~30代男性に人気のマッチングアプリとは
――「モバイルマーケット白書 2020(以下、白書)」では、10代から50代以上までの男女それぞれで「ほかの世代よりMAU(Monthly Active User:月に一度以上該当アプリを起動したユーザー)で多く使われているアプリ」を調査した項目がありますが、見事にライフスタイルが反映されていましたね。
日影耕造氏(以下、日影) はい。10代男女は「Studyplus」「Google Classroom」といった「学習系」が、この1年で大きく伸びました。これはリモート授業のために学校側で導入しているケースが多いのと、文部科学省が進めている教育のICT化を進めるGIGAスクール構想もあって、政策や社会情勢とのリンクで急増したといえます。
――その一方、20代、30代男性のトップは「出会い系」でした。20代女性は「ホットペッパービューティー」などの「美容系」、30代女性は子どもの写真を共有する「家族アルバム みてね」などの「育児系」であることを見ると、20~30代男性、なかなかお盛んです。なお、20代男性が使っているマッチングアプリのトップ3は上から「Pairs」「with」「タップル」、30代男性は「Pairs」「ハッピーメール」「Omiai」と、若干の違いが見られました。
日影 Pairsは、2020年4月からの1年間でユーザー数をほぼ倍増させています。20~30代男性はそもそも出会いを求める世代ではありますが、コロナにより対面で大人数が集まる合コンのような、それまでの出会いの場を設けづらくなった、という社会的な情勢もありますよね。デジタルでの出会いの重要性が、コロナ以前より高まってきています。
また、私自身は正直、いわゆる「出会い系」に対しては怪しい印象もありますが、そういった印象を抱かない世代がマッチングアプリを使い出した、というのも大きいでしょう。
――印象が変わった、というより、そもそもその印象を知らない世代が台頭してきた、ということなのですね。
日影 はい。アプリを利用することでお互いの趣味がわかったり、AIの相性診断ができていいじゃない、というような肯定的な見方をする人は、世代が下がるにつれて増えているのではないでしょうか。もちろん、ある程度注意しながら利用している層もいると思いますが、マッチングアプリをどう捉えるかという価値観のグラデーションは、20~30代男性の中でもありそうですね。
――私自身(1980年生まれ)も「出会い系=怪しい」世代ですし、同世代間では、出会い系がきっかけで交際に至っても「きっかけは出会い系で」とは言えないし言いたくない、という雰囲気は確かにありました。しかし、今の20代の人と話すと、本当にカジュアルにマッチングアプリを利用していて、それを会話に出すのにもためらいがないんですよね。こういった雰囲気、肌感、空気というのは、けっこうあっけなく変わるのだなあと思います。また、言い方が「出会い系アプリ」から「マッチングアプリ」に変わってマイルドになったところもあるかもしれませんね。
月間40近くのアプリを使っている現代人
日影 スマホアプリが登場し、12~13年くらい経ちました。だいたい中学生前後からスマホを使い出す人が多いので、「はじめからスマホでネットに接した」人たちが20代半ばになっています。つまり、「デジタルネイティブ世代」がもう社会に出ているんですね。そういった、上の世代とは感覚や価値観が異なる人たちが、すでに社会のメインストリームに出始めているんです。
――デジタルネイティブが社会に出てきて、これからはサービスを提供する側にもなってくるでしょうから、今後は上の世代から見たら「えっ」と思うような新しい発想やサービスが、どんどん出てくるのでしょうね。中年世代としてはついていけるか不安もありますが……。
日影 上の世代は上の世代の考えで、スマホやアプリを使っていけばいいと思いますよ。白書では1人のユーザーが月間にどれだけアプリを使うかも調べているのですが、平均38.5個でした。「路線ならYahoo!路線」「地図ならGoogleマップ」など、アプリは用途に応じた細分化が進んでいますよね。スマホには最初からアルバム機能を備えたアプリが入っていますが、子どもの写真を共有するためのアプリ「家族アルバム みてね」が30代女性に人気なのは、いい例です。今後も一方向に収斂していくのではなく、さまざまなニーズを網羅するために、社会の多様性を担保するようなアプリが生まれてくると思いますよ。
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