Appleの「AirTag(エアタグ)」は、自分の財布や鍵などを失くしても現在地をiPhoneで確認できる便利なアイテム。でも、その反面AirTagを悪用したストーキング被害もあるようです。もし、AirTagで誰かが勝手に自分を追跡していたら……、とっても不安になりますよね。それを防ぐには、いったいどうしたらいいのでしょうか? そこで今回は、誰かにAirTagで追跡されていないか確認する方法と、その対策について解説しましょう。
失くした物を探せる便利なAirTagで誰かにストーキングされる?!
Appleが販売している「AirTag」をご存じでしょうか? これは“紛失防止タグ”あるいは“スマートトラッカー”などとも呼ばれる小型デバイスです。
あらかじめ、AirTagを自分のiPhoneの「探す」アプリでペアリングしておき、自分の財布やバッグなどにAirTagを入れたり、鍵やスマホにつないでおきます。
すると、アナタがAirTagから10m以上離れたときにiPhoneに通知が届くほか、Blurtoothが途切れると、「探す」アプリから現在地を確認することができるのです。
実は、AirTagにはGPS機能は搭載されておらず、Bluetooth信号を送信しています。周囲にあるAppleデバイスがAirTagの位置情報をiCloudに送信して、自分のiPhoneの「探す」アプリで現在地を確認できる仕組みです。
このように、AirTagは大切なものと一緒にしておくことで、万一、紛失したときにiPhoneで現在地を確認できる便利なアイテムです。
ところが、そのような便利なAirTagの機能を逆手に取って、ストーキング行為を働く人もいます。
本人に気づかれないように勝手に鞄などにAirTagを入れられてしまうと、常にアナタがどこにいるのか監視されてしまうのです。
このようなAirTagストーキング被害を防ぐにはどうしたらいいのでしょうか? このあと、AirTagに追跡されていないか確認する方法や、その対策についてじっくり解説します。
AirTagストーキング対処方法【1】「トラッキング通知」が届いた
AirTagで誰かにストーキングされていないかを確認するには、いったいどうすればいいのでしょうか?
まず、覚えておきたいのは、他人のAirTagが一定時間自分と一緒に移動したことをiPhoneが認知すると、アナタのiPhoneに「トラッキング通知」が表示される仕組みになっていることです。
あるいは、AirTagが持ち主の場所から離れてしばらくすると本体から音が鳴りますが、そのような場合も「トラッキング通知」が、届くようになっています。
もし、トラッキング通知が届いた場合は、自分の鞄や財布、洋服などに不審なAirTagが入っていないか探してみましょう。
また、表示されたトラッキング通知をタップすると、AirTagの移動経路を確認したり、AirTagのサウンドを鳴らすことができるため、これらの機能を使うことで不審なAirTagを探し出すこともできます。
AirTagの移動経路の確認とサウンドを鳴らす手順
「トラッキング通知」が届かないからといって安心してはいけません。
AirTagでストーキングされていても、iPhoneの設定によってはトラッキング通知が届かないことがあるのです。
また、AirTagはiOS 14.5以降のiPhoneかiPod touchか、iPadOS 14.5以降のiPadでないと利用できないため、そのようなデバイスにトラッキング通知が届くことはありません。
まずは、事前に自分のデバイスのOSバージョンを確認しておきましょう。それをクリアできている場合は、以下の手順で「トラッキング通知」を有効しておきます。
最初にiPhoneの設定では「機内モード」がオフになっていることを確認して、「Bluetooth」をオンにしておきます。
次に、iPhoneの設定から「プライバシーとセキュリティ」を開いて「位置情報サービス」をオンに。
続いて「システムサービス」で「iPhoneを探す」をオンにしたら、「利用頻度の高い場所」をオンにしておきましょう。
iPhoneの「設定」でトラッキング通知を有効にする手順
続いて、iPhoneの「探す」アプリを開いて、「トラッキング通知」を有効にしましょう。
まず「自分」の設定画面で「トラッキング通知をカスタマイズ」をタップ。次に「通知を許可」をオンにしておけばOKです。
これで他人のAirTagが仕込まれた場合に、トラッキング通知が届くようになります。
「探す」アプリでトラッキング通知を有効にする手順
AirTagストーキング対処方法【3】不審なAirTagを見つけた場合
トラッキング通知によって自分のものではない不審なAirTagが見つかった場合はどうすればいいのでしょうか?
実はAirTagにはNFC(近距離無線通信)機能が内蔵されています。これはクレカのタッチ決済やSuicaのタッチのようなものです。
つまり、iPhoneとくっつけることでAirTagの情報を読み取ることができるのです。ちなみに、NFC機能を搭載していれば、AndroidスマホでもAirTagの情報は読み込むことが可能となっています。
実際にAirTagの詳細を確認するには、本体の白い面をiPhoneにくっつけるだけでOKです。これでスマホの画面に、AirTagのシリアル番号や持ち主の電話番号の下4桁などが表示されます。
AirTagの詳細情報を読み取る手順
AirTagの情報を確認して、所有者に身に覚えがない場合はストーキングされている可能性が高いでしょう。この場合はAirTagをすぐに無効化したほうが賢明です。
AirTagを無効にする手順を確認するには、先ほど確認したAirTagの情報画面の下にある「無効にする手順」をタップすればOKです。
AirTagを無効化するのは簡単です。AirTagのカバーを外して、なかのボタン電池を取り出せばOK。これでもう、相手はアナタの現在地が確認できずストーキング行為はできなくなるでしょう。
AirTagの電池を外して無効化する手順
まとめ
いかがでしたか? 500円玉ほどの小さなAirTag。だからこそ便利なのですが、気づかないうちに、誰かがアナタの鞄のなかに仕込んでしまうかもしれません。
万一の場合に大切なものを探し出せる便利なAirTagですが、その反面、他人に悪用される危険性もあるのです。
もし、iPhoneに「トラッキング通知」が表示された場合は、決して見逃さず今回紹介した手順で正しくAirTagを発見して無効化してしまいましょう。