2013年12月29日~31日の3日間で開催された「コミックマーケット85」(以下、コミケ)では、延べ52万人の来場者が、会場である東京ビッグサイト(江東区有明)を訪れた。コミケは、日本最大級の同人誌即売会イベントで、漫画やアニメ、ゲームから派生したり、自ら考えたオリジナルの同人誌・ゲームなどの作品を頒布するのが主目的となっている。会場は熱気に包まれており、人気作家の作品を求めて数時間の間、列に並ぶのは当たり前。中には、始発電車で来ても目当ての作品を買えないこともあるという。
来場者の多さにいつも頭を悩ませているのが、携帯キャリアだ。一つの基地局にユーザーが殺到して回線がパンクし、会場である東京ビッグサイト付近では、電波がつながらなくなってしまう。
今回は、そんなキャリアの電波対策が、コミケ会場でどのように行われていたのか、実際に現地に赴き調べてみた。
まずは、コミケ開催に先立って各キャリアが公表した電波対策をおさらいする。下に、各キャリアでの対策をまとめた。また、図はKDDI(au)、NTTドコモ、ソフトバンクモバイルのHPより引用した通信の強化エリアの地図である。
キャリア 移動基地局車 Wi-Fiスポット Wi-Fiスポット呼称
NTTドコモ ○ ○ Wi-Fiサポーター
au ○ ○ 人間Wi-Fi (au Wi-Fi SPOT)
ソフトバンクモバイル ○ ○ Wi-Fi忍者
UQ WiMax ○ ○(WiMax仮設基地局) —
イー・モバイル ○ × —
各キャリアとも、移動基地局車をビッグサイトの駐車場に配置。3大キャリアは、Wi-Fiスポットのルーターとなる機器を背負ったスタッフを会場内に配置していた。