●キャリアは自社の“つながる”具合をアピール
12月29日の現地状況は、西展示場の駐車場にau、ドコモ、WiMAXの移動基地局車が各1台ずつ確認できた。会場内のスタッフは、西・東展示場合わせて、auが3名、ドコモが4名、ソフトバンクが1名それぞれ発見できた(キャリアからの人員配置数は非公表。あくまで会場内を歩き回って探した人数なので、実際はもっと多いと思われる)。
特にauは、移動基地局車に人気漫画『進撃の巨人』(諌山創/講談社)のラッピングを施し、Wi-Fiスタッフも同アニメに登場する「調査兵団」のコスプレに身を包み、来場者にWi-Fiを提供していた。またドコモも、移動基地局車に、人気ゲーム会社・ニトロプラスのキャラクター「すーぱーそに子」をラッピングし、西駐車場に鎮座していたが、Wi-Fiスタッフは、普通のドコモの赤いコートを身にまとっているのみ、ソフトバンクモバイルも同様に白黒のコートを身にまとっているのみだった。
前年以前も移動基地局車が配備されていたが、キャリアのロゴが入っただけの地味な車だった。ユーザー数増加にどれほどの効果があるかはわからないが、来場者が好むようなアニメやゲームとのタイアップは、キャリアにとっても良いアピールになるだろう。
現地で広報活動をしていたKDDIの広報担当者の話によれば、「スタッフが背負っているWi-Fi機器1台がカバーできるのは、半径約25m、接続可能なセション数(人数)は100」とのことで、市販のWi-Fiルーターの約10倍の容量があることがわかった。
大規模なイベントでもつながるようになってきたとはいえ、体感だとやはり、かなりの「パケ詰まり」が発生していた。筆者は、通話しながらスマホ画面を見たいので、ドコモのスマホとauのスマホを2台持ちしているのだが、閉会まで残り時間が少なくなった15時頃に、西展示場付近でメールを確認しようとドコモのスマホでLTE/Wi-Fi接続を試みたが、10分以上受信できない事態が発生した。こうなると、大規模イベント会場では、その当日のみ優先的に通信できるSIMカードを販売するなどの対応を検討してほしいものだ。
ちなみに、電波車は来ていたが、東京ビッグサイトの立地を考えると、電波船が来てもいいようにも思う。
(文=久我吉史)