●デジカメ画像のリフォーカスを可能にする「Snapdragon 805」
現在、スマホのモバイルプロセッサはクアルコム社製の「Snapdragon」が主流となっている。「iPhone」を除く日本で販売されているほとんどのスマホに搭載されているのは、この中で最速レベルの「Snapdragon 800」であり、その次世代の最上位モデルが「Snapdragon 805」になる。
この「Snapdragon 805」の処理能力は前機種から40%ほど向上しているのだが、それ以上にいくつかの革新的な機能を持っている。まず、圧縮率の高いH.265形式の動画をハードウェアデコード(圧縮されたデータを復元して再生)する機能を搭載しているのが大きい。H.265は現在のスマホで主に採用されているH.264の約2倍の圧縮率を持ち、期待されているコーデック(圧縮・復元するソフト)だが、そのため再生負荷も高いという弱点を持っている。しかし、「Snapdragon 805」はハードウェアデコーダーを搭載することで、H.265形式の動画を非常に軽々と再生することができる。H.265形式は4K(Ultra HD)動画で標準的に使われる予定の圧縮形式なので、「Snapdragon 805」を採用したスマホは、4K動画を視聴できることになる。
このH.265の再生に加え、画像処理も大革新が進んでいる。以前、当サイト記事『アップル、デジカメ販売も?カメラのピント・リフォーカス技術で特許取得』(http://biz-journal.jp/2013/12/post_3594.html)において、アップルが撮影した画像のフォーカス(焦点)を変えることができる「リフォーカス」機能の特許を取得して、将来的に「iPhone」に搭載される可能性もあると書いたが、「Snapdragon 805」はプロセッサの処理で、このリフォーカスを可能にする。
この機能は「オムニフォーカス」と呼ばれ、一度撮影した静止画像の好きな場所を指定し、その場所にフォーカスを合わせることが可能だ。