●情報を一元化して第三者が証明するメリット
ROBINSは、検索する側だけでなく、登録した企業にもメリットはある。もちろん、自社の実在が簡単に確認してもらえるということも1つだが、ほかにもある。
実は、法人登記に当たって、法人名の「読みがな」は登録できない。「漢と書いてオトコと読む」というようなこだわりを持っていても、登記簿に載るのは「漢」という表記だけだ。つまり「漢」という企業名の正しい読み方が「カン」か「オトコ」か「ヲトコ」かは、登記簿からはわからず、英字表記を「otoco」などにしていても、それが正しいかどうか外見上は判別できない。
こんな特殊な例でなくとも「日本」が「ニッポン」なのか「ニホン」なのかわからない、といったことはよくあるだろう。
また日本国内規格として、法人名を英字表記する時には訓令式ローマ字を使う慣例になっているので、このルールに従うと「日立」は「HITATI」だし、富士通は「HUZITU」となってしまう。それぞれを「HITACHI」「FUJITSU」とするためには、企業の定款に英字表記を明記しておく必要がある。
大企業の場合は、定款に読みがなも英字表記も記載してあるから、特に問題にはならない。しかし中小企業の場合は国際入札に参加したり、国際的な規格を取得しようとした時などに、そうした準備がないと大変な手間がかかる。
実績情報もまとめて誰かのお墨付きを得たものを外部に出すことは難しい。基本的な企業データとともに第三者に確認された実績情報がここで見られますとなれば、初めて取引をする企業ともやりとりがスムーズになるだろう。また全データではないが、英語での情報提供も行われるということで、国際取引の入り口に使えるかもしれない。
このように、登録した企業にもそれなりのメリットがありそうだが、まだサービス開始から1年に満たないということもあり、認知度も低く、登録企業が少ないのが残念なところだ。
●情報充実に期待
ROBINSが証明してくれるのは、あくまでもその企業があるかないか、その企業のURLや住所は正しいか、という点だ。例えば、企業は存在しているが、業務内容は詐欺だなどと見破るには至らない。
しかし、反社会的組織ではないこと、および反社会的組織にかかわるものではないことなどを宣誓させる項目はある。企業が取引先を見極めようとした時や、一般消費者がネットショッピングなどの際に運営会社を判断する第一歩としては役立つだろう。
登録企業が増えてくれば、一般ユーザー・企業それぞれにメリットがある。データ活用の方法も進化していくだろう。近い将来、もっと便利なサービスに成長する可能性を秘めた「サイバー法人台帳 ROBINS」の存在を頭の片隅にとどめつつ、時には活用してみたらいかがだろうか。
(文=エースラッシュ)