三菱電機
三菱電機は2015年3月期決算企業の中で、役員報酬の1億円プレーヤーが最多となる見通しだ。
6月26日に開く株主総会の招集通知で明らかにしたところによると、執行役23人に平均1億3580万円の役員報酬を支払うという。14年3月期の執行役22人の平均役員報酬は1億1100万円だったので、2480万円増えたことになる。ちなみに、社外取締役を除く取締役5人の平均は6120万円だ。
執行役が受ける報酬の内訳は、大きく基本報酬と業績連動報酬の2つに分けられるが、同社では業績変動の比率が高く、15年3月期の営業利益が前期比35.1%増の3176億円と過去最高だったことで報酬額が大幅にアップした。
昨年は18人の執行役が1億円プレーヤーに名を連ね、上場会社の最多記録を更新した。今年も2年連続で最多になることは確実だ。
日立製作所
日立製作所の執行役29人の平均役員報酬は6710万円、社外取締役を除く取締役6人の平均は2100万円となっており、執行役は取締役の3.2倍だ。業績連動報酬の基準となる15年3月期の営業利益は前期比11.6%増の6004億円と、2年連続で過去最高を更新した。
三菱電機の執行役と6870万円もの大きな差が出たのは、日立は執行役の業績連動報酬が年収の4割までに抑えられているためだ。
執行役員制度
執行役とよく似た制度に、執行役員というものがある。執行役は会社法に規定されている機関であるが、執行役員は法律に基づかない企業独自の役職だ。一般的に執行役員は、代表取締役を補佐し一定の代理権を与えられ、その範囲内で業務を執行する。また、法律の規定がないため、報酬の開示義務はない。
執行役員制度を導入しているトヨタ自動車の15年3月期の営業利益は前期比20.0%増の2兆7505億円と、こちらも2年連続で過去最高を更新した。執行役員の報酬が気になるところだが、同社は開示していない。開示義務のある取締役14人(社外取締役を除く)の役員報酬は平均1億1780万円で、前年より3590万円アップした。業績に連動する賞与が増えた結果だ。