国内の日本人は1億2616万3576人で、前年より27万1058人減少した。6年連続の減少で、減少数は昭和43年の調査開始以降で最大となった。出生数は過去最少の100万3554人で、前年の微増から減少局面に逆戻りした。死亡数から出生数を引いた「自然減」は過去最多の26万6757人と、8年連続増加となっている。
14歳以下は1631万18人で、人口に占める割合は12.93%だ。65歳以上は3268万764人で25.90%となり、14歳以下の2倍を超えた。
国立社会保障・人口問題研究所の「日本の将来推計人口」によると、2040年の人口予測は1億728万人で、国土交通省は50年には9700万人台まで減少すると試算している。
少子高齢化が進むと、15歳から64歳までの「生産年齢人口」が減り、税収も減るため、国民の生活レベルが下がるのではないかと心配されている。政府は少子高齢化に歯止めをかけるべく、出生率改善に向けた対策を講じてはいるが、今のところ抜本的解決にはなっていない。
そこで、安倍晋三政権はひそかに移民政策をもくろんでいるのではないかと、元参議院議員の田中康夫氏が夕刊フジ紙上で指摘している。昨年6月24日に閣議決定した「骨太の方針」の中に、「従来の少子化対策の枠組みにとらわれず、トレンドを変えていくことで、50年後にも1億人程度の安定的な人口構造を保持することができる」という内容がある。
これは、昨年2月に経済財政諮問会議が出した「移民を年20万人ずつ受け入れた場合、1億1000万人程度を維持」との資料が根拠になっているという。さらに、田中氏は次のように批判している。
「人口1億1000万人レベルの維持は、政府資料によると、移民受け入れと、出生率2.07を条件にしている。今、欧州で一番高い出生率はフランスの2.01。日本は1.43。机上の空論ではないか」
移民政策の失敗は歴史が証明
移民政策は、将来的に民族対立や治安悪化といった社会不安を生み出す可能性がある。それは、実際に移民を受け入れた諸外国の事例を見ても明らかだ。
フランスでは今年1月、新聞社がイスラム系テロリストに襲撃され12人が殺害された。フランスはヨーロッパで最大のイスラム系移民を抱えている。戦後、高度成長期を迎えた西ドイツは労働力不足を補うために、トルコなどからかなりの量の移民を受け入れた。これらトルコ系移民の中には、ドイツ社会に溶け込めなかった人も多かった。ドイツと並んで移民先進国と見られているスウェーデンでは、13年に移民の若者らによる暴動が相次いだ。