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帝国憲法が日本最高の法である
–そのような現在の日本国憲法と異なり、倉山さんは1889年に発布された帝国憲法を評価しています。
倉山 日本国憲法がなぜ日本の最高の法なのかという疑問に対して、説明はつきません。無理に説明をつけようとすると、デタラメな八月革命説に戻ってしまいます。一方、帝国憲法の正当性については説明がつきます。帝国憲法の成立過程と、その前文にあたる御告文を読めば、なぜ帝国憲法が日本の最高の法なのか、疑問の余地がありません。
御告文は明治天皇が皇祖皇宗、つまり歴代天皇に誓うかたちになっています。中身は、「これまでご先祖様から宝物である日本国を受け継いできました。このたび、人文の発達に従い、わたくしの代で帝国憲法を定めることにしました。政治を行う掟とし、わたくしは守ります。わたくしの子孫たちにも守らせます。この掟を守ることによって、国民は幸せになれるでしょう。御先祖様たちよ、お守りください」となっています。原文の文体は、格調高い祝詞です。
よく「大日本帝国憲法は、プロシア憲法をマネしただけ」などといわれますが、実はそれはとんでもない言いがかりなのです。このようなことについては、拙著『帝国憲法物語』をお読みいただければ、おわかりいただけると思います。
(構成=編集部)
『帝国憲法物語』 西洋列強の脅威から日本を守るために、たった一人で三千人の敵に立ち向かった高杉晋作。強固な意志を貫きつつ「万機公論」を本気で実行しようとした大久保利通。早くから憲法こそが国家の廃興存亡を決すると見抜いていた木戸孝允。そして彼らの意志を継いで真に日本の歴史に立脚した憲法を制定すべく苦闘を重ねた伊藤博文と井上毅―幕末明治の日本人たちが上下一心となって勝ち取った大日本帝国憲法こそ、我が国の自主独立を守るための「最強の武器」だった。だが、しかし―。今、すべての日本人が知っておくべき歴史の真実。
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