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和歌山市、小中学校でも“ツタヤ図書館化”を計画…市民がCCCへの委託反対署名活動

文=日向咲嗣/ジャーナリスト

学校図書館のCCCへの委託を密かに推進か

 下の図は、今年3月に開催された経済文教委員会の議事録の一部だ。この件に関連して、不可解なやりとりが繰り広げられている。

【完了】和歌山市、小中学校でもツタヤ図書館化を計画…市民がCCCへの委託反対署名活動の画像3

移動図書館が学校訪問したら、司書が一緒になって本探しの手伝いをしてくれるのか」

 こう質問しているのは、「まるでCCCの営業担当者みたい」と言われるほど“ツタヤ推し”で有名な戸田正人市議だ。それに対して、長年、市民図書館の運営に尽力してきた副館長が、学校からの要望による移動図書館での配本を肯定したうえで、学校図書館について、こう回答している。

「特にモデル校という形で、棚の改編や読み聞かせの会、お話会、事業に即したブックトークのようなものを学校と相談しつつ、させていただけたらという方向で協議しています」

 これを受けて戸田市議は「非常にすばらしい取り組みだ」と手放しで褒めたたえているが、お話会やブックトークといった事業は、地域活動の一環として、どこの公共図書館でも、ごく普通に取り組んでいるものにすぎない。注目すべきは、「モデル校という形で」という部分と「棚の改編」という文言だろう。この表現から、市立図書館のオマケ業務ではなく、司書を派遣して行う学校図書館の基幹事業であることが読み取れる。

 市当局は、「学校との連携」という曖昧な大義の下、市民に気づかれて大騒ぎされないようコッソリと、学校図書館をCCCに委託することを決めようとしているようにみえる。

 というのも、先に市の担当者が学校図書館のCCCへの業務委託について、「委員会の許諾を得ている」とした唯一の根拠が、この副館長の発言だったからだ。

 もうひとつ残る疑問が、予算の問題である。市民図書館の指定管理料の中に学校図書館の業務委託も含まれているので、新たに議決の必要がないと担当者は説明していたが、市民図書館の費用と学校図書館の費用を混在させるとは、にわかに信じがたい。

 疑問を追及するために関係者をあたっていくと、新年度予算を編成する2月の段階で、行政側が議会の各会派に内示した際の資料を入手した。そのなかに、こんな記述を見つけた。

「読書の推進 新市民図書館を拠点とした学校図書初の支援<新規>」

 予算額こそ明記されていないものの、その下に「新市民図書館において支援体制を構築し、各小中学校に司書の派遣・巡回等を実施」とはっきり書かれているではないか。

「指定管理料に含まれている」という説明は、嘘ではないかもしれないが、明確に新事業として予算の内示資料に盛り込まれているわけだから、これを議会に提出しないのはおかしい。

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