渡邉哲也「よくわかる経済のしくみ」

韓国、「WTOで日本に勝訴」と虚偽の発表…無関係な国際会議でも日本を批判し“問題児”扱い

文大統領、過去の合意を否定する反日発言

 見方を変えれば、日本の勝訴を自国の勝訴のように強弁する姿勢は、今の韓国を非常によく表しているのではないだろうか。8月、文在寅大統領は臨時閣議で日本に対して「一度反省を言ったので反省は終わったとか、一度合意したからといって過去の問題が、すべて過ぎ去ったのだと終わらせることはできない」と述べた。

 日本は徴用工や従軍慰安婦の問題について、「日韓基本条約や日韓請求権協定、日韓合意で解決済み」との立場だが、文大統領の発言は過去の国家間合意を否定するものであり、「韓国は約束を守らない国です」と世界に向けて宣言したようなものである。日韓間に限らず、たとえ個人間であっても「確かに合意はしたが、それで問題が解決したわけではない」と言い張られてしまえば、その後は何を拠り所としていいのかわからず、正当な関係を保つのは難しくなる。それを国家レベルでやろうとしているのが、今の韓国だ。

 そのため、文大統領の発言は、条約で成り立つ国際社会の構造そのものを否定するものであり、世界の秩序を乱すものであると言わざるを得ない。

(文=渡邉哲也/経済評論家)

渡邉哲也/経済評論家

作家・経済評論家。1969年生まれ。
日本大学法学部経営法学科卒業。貿易会社に勤務し独立。複数の企業を経営、内外の政治経済のリサーチや分析に定評があり、政策立案の支援、雑誌の企画監修、テレビ出演等幅広く活動しベストセラー多数、専門は国際経済から金融、経済安全保障まで多岐にわたり、100作以上の著作を刊行している。

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