現在開催中のラグビーワールドカップ(W杯)日本大会。13日に行われた1次リーグ予選A組最終戦で日本はスコットランドに28-21で勝利。A組1位となり決勝トーナメントに進み、日本としては史上初となるW杯8強入りを果たし、20日の強豪・南アフリカとの対戦を前に日本中が沸いている。
今回の大会で日本戦は全試合が地上波のテレビ番組で生中継されており、初戦となった9月20日のロシア戦が平均視聴率18.3%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)とまずまずの数字を取ったのを皮切りに、その後は試合を重ねるごとに上昇し、今月13日のスコットランド戦では39.2%という驚異的な数字をマークした。
多くの人々がテレビにくぎ付けになるなか、一部の“にわかファン”の間では「あれ? 五郎丸は?」「なんで五郎丸が出てないの?」と、4年前の前回W杯で計58得点を決めるなど大活躍して一躍“時の人”になった五郎丸が代表に選ばれていないことに気がつき、疑問を持つ人も出ているようだ。
五郎丸が代表選考から漏れた理由について、大学体育会ラグビー部OBは次のように語る。
「一番大きい要因としては、ヘッドコーチがエディ・ジョーンズからジェイミー・ジョセフに替わり、さらには前回W杯で証明されたように日本代表の実力が著しく上がったことで、“強豪国の戦い方”に大きくシフトしたことが挙げられます。
前回のW杯までは、パスのつなぎとタックルのコンビネーションで相手陣地を“こじあけていく”というのが基本的なスタイルでした。しかし、日本も強豪国と互角に渡り合っていくステージに上がり、他の強豪国と同じく、相手の陣地に高くキックを蹴り上げてラインを前に進め、相手チームとのボールの取り合いを制して自分たちのチーム内でボールを回しトライに持ち込むという、よりパワフルな戦術にシフトしました。
近年、各国共にディフェンスのスキルが上がっているため、キックを多用して相手ディフェンスを混乱させフォーメーションを崩し、そこへ攻め込むというかたちが主流になってきています。そのため、これまで以上にディフェンスの重要性が増しており、ディフェンスの選手は縦横両方の俊敏な機動力を求められているのですが、五郎丸はキックのスキルは優れているものの、そうした“フィールドプレイ”がそれほど秀でてはいないと評価されています」