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「日韓ワールドカップが開催された02年、外国人観光客がたくさん日本に来ました。そのとき、外国人観光客の間で安価な山谷のドヤに泊まることが人気になりました。日本人だったら観光でドヤに泊まるなんて考えられませんが、外国人にとってはドヤの宿泊体験もいい旅の思い出になる。今でもドヤを利用する外国人は多く、山谷のイメージも変わりつつあります。鶯谷のラブホテル街は観光名所が点在する上野から徒歩圏にあり、浅草や東京スカイツリーなどにも近い。観光客にとっては交通至便なエリアです。多くの外国人観光客が鶯谷を利用するようになれば、これまで定着していた鶯谷のいかがわしいイメージが一変するでしょう。行政としては『ラブホテルの利用を推奨する』と表立って言えませんが、鶯谷のイメージアップになることを期待しています」
近年、ラブホテル業界では利用者の減少をどう食い止めるのかが大きな課題になっていた。その一環として、事業者側は若者が利用しやすいように設備を更新してラグジュアリーにしたり、建物そのものを建て替えるといった策を講じてきた。しかし、大規模改修には当然ながら費用もかさむ。建物を改修できる余裕のあるラブホテルは、ほんの一握りだろう。
外国人観光客のラブホテル利用という新しいムーブメントは、ラブホテル業界にとって資金を投じなくても売り上げを伸ばせる絶好のチャンスだといえる。ダサイ駅ナンバーワンの鶯谷駅は、外国人観光客によって大きく変わろうとしている。
(文=小川裕夫/フリーランスライター)
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