【パナマ文書】世界中の首脳の税逃れ発覚で世界的混乱の様相…中国・習近平や英国首相も
文=真壁昭夫/信州大学経済学部教授
すでに中国はパナマ文書に関する報道統制を敷いている。それは、腐敗撲滅を掲げてきた共産党指導部が親族の資産隠しを見逃していたという批判を抑え込むためだ。パナマ文書の詳細が明らかになり、共産党指導部への不満や批判が強まると懸念される場合、政情不安を理由に人民元への売り圧力が高まる可能性もある。それは、世界の金融市場を不安定にさせるだろう。
パナマ文書の実態解明とともに、関与していた金融機関に対する制裁が科されたり、オフショア金融取引の規制が強化されるといった展開も想定される。世界各国の税務当局の連携強化を受けて、租税に関する国際的なモニタリングも強まる可能性がある。文書のデータが膨大であり、影響する範囲も広いと考えられるだけに事態を慎重に見守るべきだろう。
(文=真壁昭夫/信州大学経済学部教授)