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手続き面では問題なしか
また、仮に処分内容が適法だったとした場合、手続きに問題はなかったのかという疑問もある。
容疑者は、まだ逮捕されただけで有罪判決が確定したわけではない。大学は、この段階で処分をすることができるのだろうか。
「現行犯的状況で逮捕された場合にように、誰の目にも事件内容が明らかな場合には、刑事裁判による司法判断を待たずに処分をしても差し支えない」と甲本弁護士は言う。
「確かに、今回の女子中学生監禁事件は、現行犯として逮捕されたわけではありません。しかし、被害生徒が容疑者宅から逃走して発見されたという状況等から、容疑者宅が監禁の現場であったことは明らかです。また、犯行発覚後に容疑者が逃亡して自傷行為に及んでいることなどを踏まえれば、事件の犯人である可能性は濃厚といえます。また、容疑者本人は成年であって、犯行を認める供述をしているといわれています。このような具体的状況からすれば、事件の違法性は明らかですから、逮捕段階でも大学は処分ができるでしょう」(同)
今回の事件は、報道されている内容が真実であるなら、女子中学生を長期間自室に監禁するというセンセーショナルな内容で、大学に対する評価と信頼に少なからずマイナスの影響を与えたことは否定できない。手続きには問題がなさそうだが、卒業の可否は学問的な成果で決まると考えるならば、千葉大の決断が適切かどうかは疑問が残る。
(文=Legal Edition)
【取材協力】
四谷国際法律事務所
甲本晃啓(こうもと・あきひろ)弁護士
知的財産やインターネット上の問題に詳しい理系弁護士。企業や大学の法律顧問も手がける。
事務所URL:http://www.428law.com/
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