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大塚将司「【小説】巨大新聞社の仮面を剥ぐ 呆れた幹部たちの生態<第1部>」第29回
パワハラ死、社内スキャンダルは脅しでもみ消し!?大手新聞社の巧妙な手口
「それじゃ、怒鳴りつける以外に手はないかもしれないな」
「ジャーナリズムの建前からはベタじゃまずいですよ。でもニュース判断は人それぞれという面があります。それがこの商売のいいところで、上意は絶対なんです」
「本音と建前の区別もつかないような奴が悪いと言うわけだな。だが、くも膜下出血を起こす10分前だから、関連がないと言い切れるのか?」
「それはわからないんです。遺族と労災認定をめぐって揉めれば、裁判所などの判断が出ますが、それを回避すれば、問題は起きないんです」
「どういうことだ?」
「叱責が原因で、くも膜下出血で亡くなったんではないか、というような記事がどこかに載ったとしましょう。その記事をうちが名誉毀損で訴えれば、相手は立証できないから、こっちの勝ちなんです。だから、名誉毀損をちらつかせると、表には出ないんです」
「それでも、人の口には戸を立てられないということだな」
「噂になるだけなら問題ありません。それより、そろそろ、先輩の方も話してくださいよ」
(文=大塚将司/作家・経済評論家)
※本文はフィクションです。実在する人物名、社名とは一切関係ありません。
※次回は、再来週5月10日(金)掲載予定です。
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