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そこで世界保健機関(WHO)は、11年に薬剤耐性問題の重大性に鑑みて、世界的な取り組みを要請した。さらに15年5月のWHO総会で「薬剤耐性(AMR)に関するグローバル・アクションプラン」が採択され、加盟各国に2年以内の自国の行動計画策定を求めたのである。
これを受けて、日本政府も16年4月に「国際的に脅威となる感染症対策関係閣僚会議」を開き、「薬剤耐性(AMR)対策アクションプラン」を決定し、国内での抗生剤の使用量を3分の2に抑制することを決めたのである。
このアクションプランは、「抗菌薬等の抗微生物製剤に対する薬剤耐性(AMR)の発生を遅らせ、拡大を防ぐ」ために、「薬剤耐性(AMR)の発生状況や抗微生物剤の使用実態の把握(動向調査、監視等)とこれに基づくリスク評価」「抗微生物剤の適切な使用による薬剤耐性微生物の減少」などを目的としている。
今回の農林水産省の「圃場における薬剤耐性菌の発現状況等の調査」も、このアクションプランに基づいており、「農業で用いられる抗微生物剤の使用量に関する動向調査・監視の実施」となっている。
いずれにせよ、日本では初めての調査であり、その結果が注目される。また、農業分野における薬剤耐性菌の調査は、世界的にも組織的調査監視体制が構築されておらず、各国の協調した取り組みが求められる。
(文=小倉正行/フリーライター)
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