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「相馬勝の国際情勢インテリジェンス」

中国・習近平が激昂「日本が核武装なら戦争も辞さない」…トランプ、日本の核武装を容認

文=相馬勝/ジャーナリスト
中国・習近平が激昂「日本が核武装なら戦争も辞さない」…トランプ、日本の核武装を容認の画像1トランプ大統領アジア歴訪 北京で歓迎式典(AFP/アフロ)

 9日に中国・北京で行われた米中首脳会談で、中国習近平国家主席が日本の核武装に触れ、「中国は日本の核武装を絶対に容認できない。それを食い止めるために、中国は戦争も辞さないだろう」と強調していたことがわかった。これはトランプ米大統領が会談で、北朝鮮問題に関する中国の対応次第で日本が核武装する可能性について指摘したことを受けたもの。

 トランプ氏が日本の核武装という仮定の話を持ち出して中国に妥協を強いるような姿勢を示したことに対し、習氏が怒りを爆発させたといえそうだ。北京の外交筋が明らかにした。

 トランプ氏はアジア諸国歴訪直前の5日、米フォックス・ニュースのインタビューで、「日本は武士の国だ。私は中国にも、それ以外のみんなにも言っておく。北朝鮮とこのような事態が続くのを放置していると、日本との間で大問題を抱えることになる」と指摘。そのうえで、習氏は北朝鮮問題で「相当素晴らしい」働きを続けており、「中国はわれわれを助けてくれている」と称賛していた。

 さらにトランプ氏は9日の米中首脳会談でも、「米中両国は朝鮮半島の非核化を実現していかなければならない。そのために、北朝鮮への経済制裁を強めて挑発行為を止めさせる必要がある。われわれは中国の一層の協力に期待している」と述べ、再び日本の核武装論を持ち出したという。

 これに対して、習氏は「中国の朝鮮半島非核化の方針は一貫している。北朝鮮の核開発に関する反対の姿勢は変わらない。同時に、中国は日本の核武装に関しても、一貫して反対の立場を強調してきた。これは今後も変わらない中国の外交方針だ」と強調。そのうえで、習氏は日本の核武装を阻止するために「戦争も辞さない」と強く反発したという。

 前出・外交筋は次のように指摘している。

「中国側はしばしば、朝鮮半島の核問題に関する、いわゆる『中国責任論』に強く反発してきた。ところが、トランプ氏がよりによって首脳会談の場で北朝鮮問題を引き合いに出して、日本の核武装を容認するかのような姿勢を示したことで、あまりのトランプ氏の無神経さに瞬間的に怒りを爆発させたといえそうだ」
(文=相馬勝/ジャーナリスト)

相馬勝/ジャーナリスト

相馬勝/ジャーナリスト

1956年、青森県生まれ。東京外国語大学中国学科卒業。産経新聞外信部記者、次長、香港支局長、米ジョージワシントン大学東アジア研究所でフルブライト研究員、米ハーバード大学でニーマン特別ジャーナリズム研究員を経て、2010年6月末で産経新聞社を退社し現在ジャーナリスト。著書は「中国共産党に消された人々」(小学館刊=小学館ノンフィクション大賞優秀賞受賞作品)、「中国軍300万人次の戦争」(講談社)、「ハーバード大学で日本はこう教えられている」(新潮社刊)、「習近平の『反日計画』―中国『機密文書』に記された危険な野望」(小学館刊)など多数。

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