こうした結果を踏まえ、厚労省の担当者は、こうコメントした。
「食生活など生活習慣の違いが反映している。滋賀は喫煙率が低く、食塩摂取量が少ないことも要因として考えられる」
喫煙率と食塩摂取量がカギとなりそうだ、との見解だ。
平均寿命と生活習慣の関係はどうなっているのか。厚労省の「平成28年 国民健康・栄養調査結果の概要」から、いくつかの指標をみてみよう。
BMI(肥満度を表す体格指数)の平均値(全国平均は男性23.8、女性22.6)。日本肥満学会の分類では18.5から25未満が普通体重、25以上30未満が肥満(1度)とされている。
平均寿命男性トップの滋賀は23.9、2位の長野は24.3と、全国平均を上回っている。京都、奈良、神奈川は平均以下だ。一方、平均寿命下位グループは青森、鹿児島が24.5、岩手24.4、秋田24.1、和歌山23.9と5県すべてが全国平均を上回っている。
女性では上位グループのうち平均を上回ったのは岡山と福井の2県で、長野、島根、滋賀は下回っている。下位グループは、福島の23.9を筆頭に秋田の22.8まで5県すべてが平均を上回った。
次に食塩摂取量(全国平均男性は10.8グラム/日、女性は9.2グラム/日)。男性上位グループでは長野(11.8グラムで全国3位の摂取量)だけが平均を上回り、残り4県は平均以下。男性下位グループは秋田、鹿児島、青森が平均を上回り、岩手、和歌山は平均より下だった。
女性上位グループは長野(10.1グラムで全国1位)と島根が上回り、福井、滋賀、岡山は平均以下。女性下位グループは栃木以外の4県はすべて平均を上回っている。全体的には「食塩摂取量が多い県は短命になりがち」との傾向がみてとれるが、長野のような例外もある。
喫煙率の比較(全国平均は29.7%)。これはデータが男性しかない。平均寿命上位グループは、20.6%で全国一低い滋賀、奈良(22.0%)、神奈川(26.8%)の3県が平均以下。京都、長野は30%台で平均を上回っている。下位グループは、青森、秋田、岩手が30%超で平均より上。和歌山は29.7%でちょうど平均値、鹿児島は平均以下となっている。
際立っているのは滋賀、奈良両県の喫煙率の低さだ。福井県(喫煙率2位、平均寿命6位)といった例外もあるが、喫煙率が高い県は平均寿命ランクで下になりがちである。