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長谷十三「言わぬが花、をあえて言う。」

眞子さま、小室さん借金問題「介入」と「新興宗教入信」問題…揺らぐ天皇家と国民の関係

文=長谷十三
眞子さま、小室さん借金問題「介入」と「新興宗教入信」問題…揺らぐ天皇家と国民の関係の画像1
宮内庁のHPより

 常人には理解に苦しむトリッキーな主張と、「会話をとっさにICレコーダーで隠し録り」という裏社会の住人が使うような手口に多くの国民がドン引きした「小室文書」。だが、皇室を長く取材してきたジャーナリストやメディアの間では、新事実が何もない「言い訳文書」などより、ある前代未聞の事態のほうが注目を集めている。小室圭さん・佳代さん親子と元婚約者の金銭トラブルに、眞子さまが自らの意志で「介入」していたのだ。

「小室文書」が発表された翌日、秋篠宮家の最側近・皇嗣職大夫は会見を催して、この文書については眞子さまと小室家側が相談した上で出されたものだと明かし、小室圭さんが主張している「名誉を守るために金を返さない」という方針も、「眞子さまのご意向が大きかった」と述べている。これを耳にした元婚約者が、どれほどの恐怖とプレッシャーを受けたのかは容易に想像できよう。

 戦後の象徴天皇制になってから、天皇をはじめ皇室の方々は、国民間の政治闘争や紛争に関与することを避け、中立の立場を守ってきた。国民のシンボルなのでもう絶対権力者ではないと頭ではわかっていても、日本人ならば天皇や皇室の「ご意向」に逆らうなど畏れ多くてなかなかできない。つまり、天皇・皇室が関わってしまうと、民間トラブルをフェアに解決することが難しくなってしまうのだ。

 そんな天皇・皇室の不文律が、今回あっさりと破られてしまっていたのだ。皇室という立場の方が一民間人をここまで精神的、経済的に追いつめるという「異常事態」が起きた今、我々国民はかねてから一部で指摘されていたあの不安にも向き合わなければいけない。

 それは、眞子さまの「新興宗教への入信」である。

大山ねずの命神示教会

「週刊新潮」(新潮社/2019年9月19日号)記事『小室圭さん母が信仰の新興宗教信者「“脱会したら罰が当たるぞ”と脅されてきた人生」』など、かねてから一部で報じられているように、今回の金銭トラブルの「主役」である小室圭さんの母・佳代さんは、「大山ねずの命神示教会」の信者だといわれている。圭さんが信者かどうかは定かではないが、一般論として創価学会などの新興宗教も、親の影響で入信される方は多い。

 事実、「大山ねずの命神示教会」のホームページ内の「部門・職員紹介」で信者の皆さんのお話を見てみると、「祖父母、両親のおかげで、生まれた時から神を感じて育つ」など、親の影響で入信されたということを語っている方も少なくないのだ。

 では、そんな「大山ねずの命神示教会」とは一体どんな宗教なのか。

 戦後間もない1948年、神奈川県横浜市内で銭湯を営んでいた男性の元にある夜、ピンクの服をまとった女性が現れ、「大衆を救え」とお告げをした。この女性こそ、信者の皆さんが信仰している絶対神「大山ねずの命」である。

<大山ねずの命は、命の源、心の親ともいえる神です。人の心の動きを導き、寿命までも延ばすことができる、この上もなく力のある神です。神示教会で学ぶのは、神が説かれる教えであり、人がつくったものではありません。また、今なお神からのお言葉が表される、この世に唯一無二の教会なのです>(大山ねずの命神示教会

 もちろん、日本では信仰の自由が認められているので、仮に佳代さんだけではなく、圭さんが信者であったとしても、なんの問題はない。だが、ここに眞子さまが入信されるとなると、話はだいぶ変わってくる。

 もし眞子さまが小室さんとの結婚を機に「皇籍離脱」されれば、かたちの上では民間人となられるが、「天皇家の血を引く」という事実は変わらない。そんな日本の神道においても非常に意味のある方が、「唯一無二」の大山ねずの命の信者になったら、どんなことが起きるのか。

 まず、「広告塔」にされてしまう可能性はある。過去に新興宗教が入信した有名人を使って教えを広め、信者拡大を目指した例を挙げればキリがない。

 また、このような事態に注目が集まれば、天皇や皇室への求心力低下・批判が起きてしまう恐れもある。天皇家の末裔が他の神様を熱心に信仰するようになれば、日本人が古くから信じてきたものへの不信感が芽生え、天皇や皇室への畏敬の念が薄れてしまうかもしれない。また、保守的な人々からは、眞子さまの結婚を後押しした秋篠宮への批判・責任追及などの動きが起きる可能性もある。

結婚と宗教入信

 新興宗教の信者と結婚することが、本人の「入信」問題と完全に無関係というわけにはいかないだろう。たとえば、父は創価学会本部職員で、ご本人も信者だといわれる女優の石原さとみは昨年10月、外資系企業に勤める男性と結婚した。この男性は創価学会の信者ではないといわれているが、「週刊新潮」(2020年12月31日・2021年1月7日号)記事『「石原さとみ」のエリート夫、創価学会に入信か 義父に聞いてみると』によれば、男性は結婚後に「オレ、創価学会に入ったんだよね」と同僚に打ち明けたという。

 もちろん、石原の夫が実際に入信したのかどうかは、わからないが、眞子さまが小室親子に対して心からの信頼を寄せているということは、金銭トラブルへの「異例の介入」からも明らかである以上、眞子さまが「大山ねずの命神示教会」に入信する可能性もゼロではないだろう。

 英国王室がメガン妃の告発によって激震が走ったように、日本の天皇制・皇室も小室親子という「劇薬」によって、これまで経験したことのない大きな変化に直面するかもしれない。

(文=長谷十三)

長谷十三

長谷十三

フリーライター。政治・経済・企業・社会・メディアなど幅広い分野において取材・執筆活動を展開。

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