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森友学園の買える値段で事前交渉が判明…佐川国税庁長官と安倍首相が虚偽答弁

文=青木泰/環境ジャーナリスト
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 福山哲郎参議院議員(当時民進党、現立憲民主党幹事長)の提案もあり、与野党合意の下、参議院議長名で会計検査院に検査を求めたのである。与党も世論の批判に対して、「会計検査院に判断を求めている」という釈明ができると考えたのではないか。実際、安倍首相は何度も「会計検査院の検査を待っている」と語っている。

 そして検査結果の発表を受け、前述の通り安倍首相は「適正と言ったのは私ではない」と答弁し、所管大臣も「誤り」を認めずに謝罪もせず、自身や担当職員の責任追及を行っていない。

 福田康夫元首相は森友・加計問題に関して、このまま対処を誤れば「国家が崩壊する」と発言している。もし3大臣の自己保身によって責任追及が曖昧なまま幕引きとなれば、官僚機構は前例踏襲主義であるため、今回のような格安払い下げが「善し」とされ、法令順守の原則が崩れ、そのときどきの大臣の意思に従い不正を行うことが蔓延する。行政のいたるところで国家の私物化がはびこり、国家は崩壊することにならないか。

森友学園の買える値段で事前交渉が判明…佐川国税庁長官と安倍首相が虚偽答弁の画像4写真2:川内博史議員

ようやく始まった予算委員会

 1月末に始まった予算委員会でも、森友問題について次々と野党から批判の矢は放たれている。たとえば立憲民主党の長妻昭衆議院議員は、「内閣は誤りを認め謝罪を」と迫った。

 3大臣の居直りの一方で、昨年末から今年にかけて、隠されてきた新情報が次々と見つかっている。廃棄されたはずの関連文書が、毎日新聞や上脇博之神戸学院大学教授による情報公開請求で見つかっている。またその内容は、財務省がこれまで否定してきた払い下げ価格の事前交渉の内容が示されている。この情報は、東京新聞や朝日新聞も報道している。

 こうした結果、当時財務省の担当責任者だった佐川宣寿前理財局長(現国税庁長官)らによる「文書はすべて廃棄した」「事前の価格交渉は行っていない」という発言が虚偽だとわかり、3大臣に続き佐川氏らの責任問題を明確にすることが不可避といえるだろう。

 またこの件で、立憲民主党の川内博史衆議院議員は1月29日の予算委員会で、河戸光彦会計検査院長に質問し、開示された「新情報」について以下の2つの事実を明らかにし、関連する財務省職員の懲戒処分を求めている。

(1)上脇教授や毎日新聞が今年になって公開した「新情報」について、財務省が会計検査院に報告したのは、会計検査院が報告書を発表した前日の11月21日であった。その時には会計検査院は、報告書を作成していたため、報告書には反映できず、財務省は会計検査院の検査にすら情報隠しを行っていた。

(2)会計検査院の検査は、会計検査院法第26条に基づく検査である。これに協力せず情報隠しに入った時には、その省庁の担当責任者に対し、会計検査院法第31条に基づく、懲戒処分要求ができる。「国の会計事務を処理する職員に故意もしくは重大な過失があること」を条件として、所管の大臣に対して処分を求めることができる。

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