厚生労働省が今年1月26日に発表した統計によれば、日本で働く外国人労働者の数は2017年10月末時点で127万8670人に上った、前年から18パーセント、5年間では約50万人もの増加である。
こうして外国人労働者が増え続けているのは、肉体労働の現場で人手不足が深刻化しているからだ。ただし、政府は外国人が「単純労働」目的で入国することを認めていない。そこで抜け道となっているのが「留学」や「実習」だ。
外国人労働者を滞在資格別で見ると、留学生と実習生の増加が際立つ。とりわけ留学生は前年比24パーセント増の25万9604人に達し、25万7788人の実習生を追い抜いた。実習生の受け入れは、製造業や建設、農業、水産加工業など80足らずの職種でしか認められない。それ以外でも人手不足に直面する職種は多い。そんな現場でアルバイトの留学生が貴重な労働力となっている。
コンビニや飲食チェーンの店頭のような人目につく仕事だけではない。留学生頼みが著しい職場は、むしろ私たちが普通に生活していれば気づかないところにある。コンビニエンスストアやスーパーで売られる弁当や総菜の製造工場、宅配便の仕分け、ビルやホテルの掃除、新聞配達……。いずれも日本人が嫌がる夜勤の肉体労働ばかりである。
なぜ、「留学生」という名の労働者がこれほどまで増えたのか。その背景には、途上国の外国人を巧妙に利用する、日本特有の醜悪なシステムが存在している。
出稼ぎ目的の留学生
留学生は12年から約11万人増え、17年6月時点で29万1164人を数える。その約9割が仕事に就いているわけだ。もちろん、勉強の傍ら、学費や生活費の足し程度のアルバイトに励んでいる留学生も存在する。だが、近年急増中の留学生の大半は、勉強よりも出稼ぎが目的だ。そのことは、過去4年間にわたって留学生問題を取材してきた筆者の経験から断言できる。
留学生の国籍で増加が目立つのが、ベトナム、ネパール、ミャンマー、スリランカといったアジアの新興国である。この4カ国だけで、12年以降に増加した留学生の8割以上を占める。とりわけベトナム出身者は、7倍以上の約7万人まで膨らんでいる。