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留学生を食い物にする安倍政権…低賃金の過酷労働で人手不足穴埋め、日本語学校等は学費吸い上げ

文=出井康博/ジャーナリスト
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 留学生の増加によって、日本語学校は過去5年で200校以上も増え、643校を数えるまでになった。その大半が、“偽装留学生”の日本での入り口となっている。留学生が日本語学校に在籍できるのが最長2年までだ。法律に違反して働いても、2年間では借金を返済するのは難しい。日本語に不自由な“偽装留学生”ができる仕事は、最低賃金レベルのものばかりなのである。借金を抱えて国に帰れば、一家は破産してしまう。最低でも借金がなくなるまでは、日本で働き続けるしかない。

 そんな彼らを日本人の学生不足に陥った専門学校や大学が待ち受ける。少子化の影響で、私立大学の半数近くで定員割れが起きている。たとえ大学であろうと、学費さえ払えば日本語能力など問わず入学できるところは簡単に見つかる。日本語学校と同様、自らのビジネスのため“偽装留学生”を利用しているのだ。そうして彼らは学費と引き換えに留学ビザを更新し、出稼ぎを続ける。人手不足の企業にとっても大助かりである。

途上国の若者を食い物に

“偽装留学生”の生活は過酷だ。体力的に厳しい夜勤の仕事に明け暮れ、睡眠も取らず日本語学校の授業に出席する。たとえ授業で眠りこけていようが、形だけでも出席し、学費を納めていれば学校側も咎めない。学費の支払いを逃れて不法就労しようと学校から失踪したり、窃盗などの犯罪に手を染める留学生が増えているのは、彼らによる「反乱」とも受け取れる。

「留学」と称し、出稼ぎ希望者に多額の借金を背負わせ、日本へと誘い込む。そして借金返済のために日本人の嫌がる仕事にこき使い、稼いだカネは学費として吸い上げる――。これでは日本が国ぐるみで「ブラック国家」と化しているに等しい。

 留学生を低賃金の労働者として利用する国など世界でも例がない。実習生にしろ、政府は「人手不足解消」の手段ではなく、あくまで「国際貢献」目的だと主張し、労働者にとっては当然の権利である「職場の移動」すら認めていない。いつまで日本は「留学」や「実習」だと偽り、途上国の若者を食い物にしていくつもりなのだろうか。
(文=出井康博/ジャーナリスト)

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