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留学生を食い物にする安倍政権…低賃金の過酷労働で人手不足穴埋め、日本語学校等は学費吸い上げ

文=出井康博/ジャーナリスト
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 本来、留学ビザアルバイトなしで日本での生活を送れる外国人に限って発給される。ビザ取得の際には、自らの「経費支弁能力」を証明しなければならない。現地の日本大使館や法務省入国管理当局に対し、親の年収や銀行預金残高の証明書を提出しなければならないのだ。基準となる額は公表されていないが、年収、預金残高とも200万円以上が目安となる。

 前述した4カ国でもっとも豊かなのはベトナムだが、庶民の年収はせいぜい20~30万円程度である。ごく一部の富裕層を除けば、日本の留学ビザを取得できるレベルではない。そこで留学希望者は、行政機関や銀行の担当者に賄賂を払い、ビザ取得に十分な年収や預金残高が記された書類をつくる。数字はでっち上げでも担当者のサインが入っているので、「偽造」とも呼べない。そうした書類を日本側が認め、留学ビザを発給する。日本での出稼ぎを希望する外国人と労働者を確保したい日本の思惑が、新興国特有の「賄賂」という習慣を通して結びつくのだ。

偽りの「留学生30万人計画」

 日本政府が「成長戦略」として進める「留学生30万人計画」の影響も大きい。数年前まで留学生全体の6割を占めた中国人は、近年はほとんど増えていない。同計画の達成には、ベトナムなど新興国出身者に頼らざるを得ない。そんな状況も、経費支弁能力のない、出稼ぎ目的の“偽装留学生”が受け入れられる要因だ。

 日本での出稼ぎには、「留学」以外にも「実習」という道がある。だが、実習生の場合、手取りの賃金は月10万円少々にしかならない。最長3年(昨年11月の制度変更で今後は5年に延長)までしか働けず、職場も変われない。その点、留学生は実習生以上に稼げる。留学生のアルバイトは法律で「週28時間以内」と制限されているが、仕事をかけ持ちすれば簡単に違反できてしまう。仕事も自由に選べ、うまくいけば日本で就職もできるかもしれない。そう考え、実習よりも留学を選ぶ者が増えている。

 ただし、留学には大きな費用が必要となる。日本語学校の学費や寮費、留学斡旋ブローカーへの手数料などで150~200万円程度を用意しなければならない。新興国の若者にとっては莫大な金額だが、彼らは借金で工面する。賃金の高い日本で働けば、短期間で返済できると考えてのことだ。

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