「月給25万円」を保証できるか
それから、最低賃金を国が補償する制度を充実させる政策。「時給を上げろ」という運動も起きていて具体的な金額は要検討ですが、私は時給で示すより「月給25万円保障」という言い方をしています。
月給25万円あれば、なんとかなります。全国的に見れば賃金の高い東京でも、25万円稼げない人は増えています。現状との差額分は、企業負担ではなく国が保障します。ある意味で、最近注目されている一種のベーシックインカムのような要素があるでしょう。
そして年金保障です。自営業の人は、引退後に年金だけではとても暮らせません。追いつめられて生活保護を申請しても水際で止められることも多く、そのために自殺する人も出ています。憲法25条にあるとおり、健康で文化的な最低限度の生活を保障するのです。生活を保障すれば、その人たちがお金を使うことで、経済も回っていくんです。
庶民がお金を持っていないから、景気が冷え込んで商品の売り上げは下がり、企業は内部留保を増やしていくという悪循環に陥っています。資産も大切ですが、経済ではお金が循環するスピードも大事です。もちろん、あまりにもそれが激しすぎるとインフレになるなどの問題もあるので調整も必要です。
とにかく、人々が不安すぎて、あるいはお金がなさすぎて、お金を使えない状況にあるのです。その状況を変えるために「消費税ゼロ」「年金保障のアップ」を打ち出しています。
それから「奨学金徳政令」。いま、奨学金の返済義務のある人の負債、総額9兆円を一括“チャラ”にします。子育て世代の人たちには、ものすごい影響力があります。奨学金をチャラにするということは、給付型の奨学金にするので、高等教育無料化に近づくわけです。所得格差による教育格差も改善できます。
さらに、農業だけではなく、一次産業すべてに戸別所得補償を出します。食の安全のためにも必要です。実際にアメリカやヨーロッパでは大量の資金(補助金)を投入して一次産業を守っています。農業所得に占める補助金はアメリカ75%、ドイツ61%、日本38%です。