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――社会がデジタル化することで、逆に地方にも可能性が生まれるのではないかと思うのですが。実際に、地方の中小企業がネットを駆使して世界に市場を拡大していくこともあるようです。
中原 問題は、それがどのくらいの雇用を生むのかということです。AIによる失業を吸収できるほどの雇用は生まれてこないのではないかと思います。どんな産業を見てもそうですが、今起きていることは過去の技術革新とは違います。これまでの技術革新は製造業における技術革新であり、そのため莫大な産業集積が必要でした。
メーカーを頂点に、下請けがいて、メンテナンス業者がいて……という具合で、自動車業界がまさにそうです。しかし、AIなどの新たな技術革新によって、そのピラミッドが必要なくなってしまうのです。そのため、これからは大企業があっという間に潰れる時代がすぐにでもやってくると思いますよ。同時に、小が大をのみ込むことができる時代にもなると思います。
――ありがとうございました。
後編では、困難に直面する日本の打開策や未来への提言について、さらに中原氏の話をお伝えする。
(構成=松崎隆司/経済ジャーナリスト)
『日本の国難 2020年からの賃金・雇用・企業』 アメリカ人の借金の総額がすでにリーマン・ショック時を超え、過去最高水準を更新するなど、いま、世界では「借金バブル」が暴発寸前となっていることをご存じだろうか。翻って日本では、大企業の淘汰・再編、増税による可処分所得の減少、生産性向上に伴う失業者の増加など、日常生活を脅かす様々なリスクが訪れようとしている。まさに「国難」ともいえるこの状況に、私たちはどう立ち向かえばいいのか。いち早く「サブプライム崩壊とその後の株価暴落」を予見していた経済アナリストが、金融危機「再来」の可能性について警鐘を鳴らすとともに、大きく様変わりする日本の近未来を描く――。
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