「仮にそれが理由だとしたら私もそう思いますけど、NHKが何も言わないのでわかりません。BTSはものすごく人気がありますから、入れてもいいじゃないかという気持ちもわかります。ただ、『紅白』というのは忖度の象徴みたいな番組です。本番で非難を浴びる可能性のある衣装を着てしまうのではないかとか、『なんでそんな原爆のTシャツを着た奴らを出すんだ』みたいな声がどこかの議員から上がるとか、そういうリスクがちょっとでもあるんだったら、やめようという話にはなるでしょうね」
BTSの一連の番組出演取り消しに関して、韓国大法院の徴用工判決に対する文化的報復だとする批判も、韓国では広がった。
「それは、ありえないですね。テレビ朝日は一民間企業であり、『ミュージックステーション』は、そのうちの一つの番組にしかすぎません。仮に徴用工判決をけしからんと思っているテレビ朝日のトップがいたとしても、番組に介入するということは考えられません。テレビ局の人たちは、どんなタレントを出すかという時には、どれだけ視聴率を取れるかという、ある意味とても純粋なバロメーターで行動します。今、若い人たちにとても人気のあるBTSを呼べば視聴率が上がるというのは間違いないわけですから、政治的配慮で外すということはありえない。むしろ先ほど出たようなスポンサー絡みのいろいろな不利益があるんじゃないかということで動くことは当然あると思います。民間放送ですから」
韓国の教育、国民の考え方
今回、「原爆Tシャツ」や「ナチス帽」の着用、「ナチス風パフォーマンス」が問題となった。すでにBTS側が謝罪しているとおり、どれも問題だが、そもそも反日であるならばナチスを礼賛するのはチグハグで一貫性がない。
「簡単に言うと、軽いノリなんです。欅坂46もナチス風衣装で批判を浴びましたよね。力に対する憧れなのか、なんなのか、かっこいいものの一つとして見てしまうということなんだと思います。
原爆Tシャツにしても反日という強い意識があるわけではなくて、日本の植民地支配から解放されたのは原爆のおかげだというイメージが、韓国の国民にはとても根強いわけです。そういう教育を受けているわけですから。BTSのメンバーがあのTシャツを着ていたのはプライベートな場面だと思いますが、韓国アイドルを好きな学生に聞いてみると、他のグループでもあのTシャツを着ていたりするわけです。韓国の人たちは、原爆というものを正当化するような考え方でずっと生きてきている。そういう社会的な背景があるんだということを、いい悪いは別にして理解しないといけないでしょう。