元フジテレビアナウンサーの長谷川豊氏が夏の参議院議員選挙に出馬することが波紋を呼んでいる。1月22日、日本維新の会は定例会見で参院選の第二次公認者を発表、長谷川氏を全国比例区で擁立することが明らかになった。
長谷川氏は発表に合わせてブログを更新し、「悔いの無いように走り抜けたいと思います。どうぞ皆様のお力を僕にお貸しください。さぁ、いよいよ夢の日を超える挑戦です!」と訴えている。早くも闘志を燃やす長谷川氏だが、同じく維新の会の公認候補として出馬した2017年の衆議院議員選挙では苦汁をなめている。得票数1万5014、得票率7.38%で千葉1区の最下位となり、供託金を没収されてしまったのだ。
長谷川氏はフジテレビ在局時の13年、ニューヨーク滞在関連費用の不正使用で降格処分を受け、のちに退社する。当時、ブログで顛末を赤裸々に明かし、過剰報道を批判するなどして話題を呼んだ。フリー転身後はさらに饒舌になり、ベッキーと川谷絵音のスキャンダルが話題になった際には公式コラムで言及。週刊誌に掲載されたLINEの画像をめぐり、川谷の妻(当時)が流出させたと断言し、「一番ダメな行為をしているのはゲス谷君の奥さん」と批判した。
近年は、その過激な言動が物議を醸すことが多い。16年9月には公式コラムに「自業自得の人工透析患者なんて、全員実費負担にさせよ!無理だと泣くならそのまま殺せ!今のシステムは日本を亡ぼすだけだ!!」というタイトルの記事を投稿(のちに改題)し、猛批判を浴びた上にレギュラー番組をすべて降板する事態に発展した。
また、過去にも公式コラムで「8割がたの女ってのは、私はほとんど『ハエ』と変わらんと思っています」などと女性蔑視的な発言をしているほか、政治についても「教えて!goo」のなかで「つまり60歳以上って、選挙権はく奪でいいんじゃないか?」「80過ぎたジイさんとバアさんが、落ち着いた、冷静な、的確な未来に向けての判断なんて出来ますかね? んな判断力、あるでしょうか?」などと高齢者を軽視するような姿勢を見せている。
再び擁立した維新の会にも批判噴出
すっかり炎上キャラが定着した長谷川氏の出馬について、インターネット上では「どのツラ下げて選挙運動するのか」「これで有権者から支持されると思える神経がすごい」「なぜ票が集まると思った?」などの声が広がっている。また、再び擁立した維新の会についても「いくらなんでもほかに擁立すべき人がいるだろう……」「維新の良識を疑う」「維新に票を投じたら長谷川のような人物に血税が回ることになる」「維新と長谷川は同じ考えであることがはっきりした」と批判が集まっている状況だ。
2年ほど前に長谷川氏のトークイベントを観覧したことがあるという女性は、そのときの印象を以下のように語る。
「元フジのアナウンサーだけあって、さすがにしゃべりは達者。声もよく通るし、それなりに笑いもとっていました。頭の回転が早く、サービス精神が旺盛な感じがしました。一方で、あまり空気が読めるタイプではなさそうです。それだけに、ときに“暴走”してしまうのかもしれません。印象としては悪くなかったですが、フジを退社したきっかけや過去の炎上については自己弁護ばかりで、“俺は世間から誤解されている”という空気をプンプン出していましたね」
ニュースサイト「しらべぇ」の1月24日付記事によると、維新の会の馬場伸幸幹事長は、取材に対して「(長谷川氏は)ある意味、問題提起をしている」「関西方面では知名度も高いですし、議員バッジをつけて、キチッと政治活動に勤しめば、いい政治家になると思います」と答えたという。
1月3日には、公式コラムで「政治への挑戦は今年が最後」と予告していた長谷川氏。果たして、民意からどのようなジャッジを下されるのだろうか。
(文=編集部)