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片田珠美「精神科女医のたわごと」

天皇へ直談判要求報道の小室圭さん母、「自己の過大評価」「視野狭窄」で「認知」のずれか

文=片田珠美/精神科医
天皇へ直談判要求報道の小室圭さん母、「自己の過大評価」「視野狭窄」で「認知」のずれかの画像1小室圭さん(写真:Rodrigo Reyes Marin/アフロ)

 秋篠宮家の長女眞子さまとの婚約が延期になっている小室圭さんの母親、佳代さんが、宮内庁に直接連絡をして「両陛下にお会いして、お話をさせて頂けませんか」などと要求していると、複数の週刊誌で報じられた。昨年11月に秋篠宮さまがお誕生日に際しての会見で、「(小室さん側が金銭トラブルについて)それ相応の対応をするべきだと思います。(そうでなければ)婚約にあたる納采の儀は行えません」と明言されてから、この直談判したいという要求が始まったらしい。
 
 先日この連載で私は小室圭さんの一般大衆との「認知」のずれを指摘したが、一連の報道が事実とすれば、母親の佳代さんのずれ方は息子以上で、半端ではない。こんなにずれているのは一体なぜなのか?

 主に次の3つの要因によると考えられる。

(1)自分自身の過大評価
(2)視野狭窄
(3)想像力の欠如

自分自身の過大評価

 まず、自分は、天皇陛下の初孫である眞子さまの“婚約内定者”の母親なのだから、祖父母である両陛下と直接面会する権利があると思い込んでいるとすれば、自分自身の立場を過大評価している。

 本来は小室家が抱えているとされる金銭トラブルについて、ご両親の秋篠宮ご夫妻に誠意を尽くして説明し、理解を求めるのが筋だ。だが、先の会見での秋篠宮さまのご発言が“最後通牒”とも取れるほど厳しかったので、これではわかってもらえないと考え、両陛下と直談判しようとしたのではないか。

 常識的に考えると、両陛下と直談判するのは難しそうだが、もし報道が事実であれば、それができると佳代さんは思ったからこそ、こんな要求をしたのだろう。そう思うこと自体、佳代さんが自分自身と息子を過大評価している表れだ。こうした過大評価は、昨日今日始まったものではない。だからこそ、息子を学費の高い学校に通わせるとか、留学させるという教育投資をしたのである。

 自分自身を過大評価していると、目の前の現実を見すえることができず、「~だったらいいのに」という願望があたかも実現するかのように思い込みやすい。こうした思い込みを精神医学では「幻想的願望充足」と呼ぶ。この「幻想的願望充足」ゆえに、佳代さんは「秋篠宮ご夫妻にはわかってもらえないけれど、両陛下に直接お目にかかってお話したらわかってもらえるはず」と思い込んだのではないだろうか。

片田珠美/精神科医

片田珠美/精神科医

広島県生まれ。精神科医。大阪大学医学部卒業。京都大学大学院人間・環境学研究科博士課程修了。人間・環境学博士(京都大学)。フランス政府給費留学生としてパリ第8大学精神分析学部でラカン派の精神分析を学ぶ。DEA(専門研究課程修了証書)取得。パリ第8大学博士課程中退。京都大学非常勤講師(2003年度~2016年度)。精神科医として臨床に携わり、臨床経験にもとづいて、犯罪心理や心の病の構造を分析。社会問題にも目を向け、社会の根底に潜む構造的な問題を精神分析学的視点から分析。

Twitter:@tamamineko

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