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「大阪の最大のライバルとされたフランスも、採算が合わないので途中で誘致を辞退しています。アメリカも2001年に博覧会国際事務局から離脱するなど、今や万博は世界的な潮流から外れています。各国が敬遠し時代遅れとなった万博を莫大な費用を投じて開催する意義がどこにあるのか、理解に苦しみます」(同)
大阪万博の会場建設費は約1250億円。さらに、会場への足となる大阪市高速電気軌道の伸延には約540億円かかるという。
「開催地の夢洲には、すでに3000億円規模の工事費をかけた『夢咲トンネル』などの大規模な投資が行われています。大阪府としては、カネをかけてしまった夢洲をなんとか活用できないかと躍起になっているだけでしょう」(同)
もう後に引けない大阪府にとっては、万博開催よりも、むしろ跡地利用のほうが主題になっているようだ。
「すでに、跡地利用としてカジノを含むIR(統合型リゾート)を建設することに目が向いているでしょう。しかし、IRは世界的に見ると、もはや斜陽産業です。富裕層はラスベガスやマカオに行き、それ以外の人は還元率も高く世界的に急成長している『オンラインカジノ』を利用しています。地元の人も、6000円の入場料を払ってまで孤島の夢洲に行くでしょうか。カジノも閑古鳥が鳴くことになれば、万博に向けた莫大な投資や税金が無に帰すこととなり、夢洲は巨大な負の遺産となるでしょう」(同)
万博を起爆剤にIRを立ち上げるつもりの大阪府と政府だが、その先行きは不透明だ。20年の東京オリンピックも計画の変更や予算の見直しが相次いでいるが、五輪も万博も壮大な負の遺産になるというシナリオが現実味を帯びてきている。
(文=沼澤典史/清談社)
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