兵庫県警の対応が波紋を広げている。
不正指令電磁的記録供用未遂の疑いで3月4日、13歳の女子中学生が兵庫県警に補導されたと複数のメディアが報じた。同様に、39歳の男性と47歳の男性も、それぞれ家宅捜索を受けたという。
これに対し、「いたずらサイトのURLを掲示板に貼っただけで補導や家宅捜索するのは、行き過ぎだ」として、インターネット上を中心に物議を醸し、ITの専門家や法曹界からも兵庫県警の対応を疑問視する声が上がっている。
報道によると、この3人はネット掲示板に、「何回閉じても無駄ですよ~」という文字などが繰り返し表示されるURLを貼り付けたという。
実は、このURLは5年ほど前からネット上でたびたび使われているページで、友達などにいたずらする目的で誘導するといった使われ方をしてきた。確かに、何度閉じようとしても繰り返しポップアップが出てくるため、初めて見る人はパニックになる恐れもある。だが、ブラウザそのものを閉じてしまえば、そこで終了できるため、さほど悪質とは言いにくい。
そんな有名ないたずらページのURLを掲示板に貼っただけで補導、家宅捜索という事態に発展したことに対し、「ほとんど実害もないにもかかわらず、犯罪扱いするのはおかしい」「もっと悪質なページは山ほどあるのに、なぜこのURLを貼り付けただけで補導するのか」など、兵庫県警を批判する声が高まっている。
また、2月1日から3月18日が、政府の提唱する「サイバーセキュリティ月間」であるため、「見せしめにしようとしている」とみる向きもある。
弁護士の見解
弁護士法人ALG&Associates執行役員の山岸純弁護士は、犯罪の構成要件に該当する可能性は高いが、兵庫県警の対応には違和感があるとの見解を示す。
「今回の事件は、平成23年に施行された『不正指令電磁的記録に関する罪(3年以下の懲役または50万円以下の罰金)』を理由に補導されたり、捜索差押をされたということのようです。この法律は、『PCなどを使う際に、本来の指示と違う動作をしたり、指示とは逆の動作をしたりするようなプログラム』をつくったり、他人に送信したりした場合に適用されます。