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講師のひとりである西山さんも、現在5歳になる双子育児中だ。自らの経験を振り返り、産後は30分の睡眠が1日に3回取れるか取れないかの状態だったと話す。新生児の授乳はおよそ3時間おき。低体重で生まれたため飲む力が弱く、授乳にも時間がかかった。2人の授乳を終えるまでに2時間、1時間たてばまた次の授乳。授乳の合間に上の子の食事やお風呂などの世話、さらに家事。食事も睡眠もまともに取れないほど膨大な家事や育児に疲弊した。そんな中、多胎育児のママたちが集うサークルに参加し不安が解消された経験が、運営側としてかかわるきっかけとなった。
教室では、西山さんが実際に試してみて有効だった、2人を同時に授乳する方法や便利グッズを使って授乳する方法などを紹介し、授乳にかかる時間を減らし睡眠時間を確保することを指南。参加者は熱心にメモを取っていた。
「人間にはおっぱいは2つあり、腕は2本あります。でも、三つ子だとどうなるでしょうか? どうやっても足りないのです。それが三つ子育児なのです。私は双子の親だからこそ、双子と三つ子の育児はまったくの別物であると断言できます。三つ子では授乳にも抱き上げるにも足りない。ひとりで三つ子の育児は絶対に無理です」(西山さん)
父親も共に学ぶ
多胎育児について話す西山友啓さん
教室当日は西山さんの夫・友啓さんも講座に参加し、参加者の父親と交流の場を持った。友啓さんは「私自身、子どもが生まれ、それまでの生活が一変した。家事や育児に忙殺されていつも不機嫌な妻にも戸惑った。教室で夫や父親の目線から育児の経験談を話すことで、参加者の育児への理解が少しずつ深まれば」と話す。
一般社団法人日本多胎支援協会(JAMBA)が全国に広めている、妊婦期からの多胎ファミリー教室では、妊婦だけではなく夫やその家族も多胎の妊娠・出産・育児について学ぶ。学ぶことで、家族ぐるみで妊娠・出産・育児に備えることができるという。また、先輩ママ・パパや境遇が同じ多胎妊娠中のママ、地域の保健師などと出会うことで、育児中の孤立感を防ぐ効果が期待できる。
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