森喜朗・細田博之・山谷えり子が結集で失言連発…パーティーの一部始終

　話題に事欠かないパーティーだったようだ。新聞各紙は7日夜、自民党参議院議員（全国比例）の山谷えり子氏と、森喜朗元首相・東京五輪・パラリンピック組織委員会元会長の発言をほぼ同時に報じた。

　共同通信によると、森氏は「東京都内で開かれた自民党議員のパーティーで」、組織委員会会長を辞職するきっかけになった自身の女性蔑視発言への批判を巡り不満を表明。「女の人はよくしゃべると言っただけだ。本当の話をするので叱られる」「本当の話を政治家がしないから、世の中がおかしくなっている」などと語ったのだという。また、森氏は首相在任中に「日本は天皇を中心にしている神の国」と発言し、批判されたことについても「何が悪かったのかさっぱりわからないが、私をつぶせということだったのだろう」と語ったという。

　また東京新聞は山谷氏が、皇族数確保のため皇統に属する男系男子を皇族にする案に関して「共産党は賛成しないだろうが、静かにしていていただきたい」と述べたと報道。「特定政党の言論を封じる意図と取られかねず、反発を招きそうだ。都内のパーティーで発言した」と伝えた。

セクハラ騒動渦中の細田氏「山谷さんはいずれ参議院議長」？

　それぞれ別の記事になっているものの、両氏が発言した場所はどちらも「都内のパーティー」だ。ちなみに7日夕には『山谷えり子さんを励ます会』が都内のホテルで開催されていた。

　同パーティーには高市早苗自民党政調会長、安倍晋三元首相といった重鎮や拉致問題対策議連のメンバーらが出席。櫻井よしこ氏などが応援演説した。週刊誌に記者へのセクハラ疑惑を報じられ、立憲民主党と共産党による不信任決議案騒動の渦中にある細田博之衆議院議長の姿もあったという。

　会合に出席した自民党関係者は「山谷さんのパーティーはとても盛況でした。森さんも出席していました。ご自身への野党の不信任決議案の件を踏まえての発言だったのかはわかりませんが、細田さんは山谷さんに対して『いずれ参議院議長になる！』などとおっしゃっていました。山谷さんも森さんもどちらも、パーティーで“闘う政治家”であることを示されていました」と語る。

大手マスコミの失言報道は「逆に支持者を結束させる」

　国政選挙前の重要な時期だ。これだけニュースのネタになりそうな大物が集結するとなれば、マスコミは必ず現場を押さえるだろう。特に大物政治家の失言を“鵜の目鷹の目”で狙っている政治記者にとって絶好の“狩場”となるのは想像に難しくない。両氏はなぜ、今回の発言に至ったのだろうか。

　野党衆議院議員秘書は話題に事欠かなかったパーティーに関し、次のように分析する。

「選挙や国際情勢、自民党保守派に対する逆風を煽る報道などに対し、『闘う』という趣旨があったのではないですか。（自身らに批判的なマスコミがいることを）踏まえた上での発言だったと思います。パーティーは既存の支持者の票固めに行われるものだからです。

　森喜朗さんや山谷えり子さんの熱烈な支持者の多くは、大手マスコミの報道に拒否感があると思われます。だから自身の発言に伴って、批判的な論調の記事が出ることは、必ずしもマイナスにはなりません。

　むしろ（支持者が感じる）『不当な報道』に反発し結束するでしょう。両氏の発言に憤った有権者が野党に投票するとも言い切れない。少なくとも、こうして記事に取り上げられたことで、お二人の主張はパーティーを超えて世の中に広がった、とも言えるのではないでしょうか。熱烈な支持者は間違いなく投票に行くでしょう。実際に投票するかどうかわからない、インターネット上の有権者の意見に迎合するよりも、確実な票を固めにいっているように感じます。こうした動きは与党のみならず、野党内でもあります」

　投票率の低迷が続く国政選挙で、固定票の確保は各党にとって重要命題だ。果たして、今回の騒動は次の参議院選挙にどのような影響を与えるのだろうか。

（文＝Business Journal編集部）