旧統一教会(現・世界平和統一家庭連合)が25日、女性信徒が日本テレビ系の大型チャリティー特番『24時間テレビ』に7年間にわたって参加ボランティアをまとめる中心的な立場でボランティアスタッフとして協力していたと公表。バッシング報道に対する「反撃」といえるもので、ネット上で波紋が広がっている。
同団体は21日に公開したマスコミへの注意喚起文で「今後、当法人ないし友好団体等に関わってきた報道機関に対して、順次公開させていただく」としていたが、今回の文書でその一例として日本テレビとの関係をあげた。
文書によると、日本テレビの『24時間テレビ』に関して「当法人の女性信徒がボランティアスタッフとして7年間にもわたって関わり、番組ボランティアをまとめる中心的な立場で活躍していたことが分かりました」とのこと。
2014年の同番組内で、参加ボランティア団体として「世界基督教統一神霊協会・能登教会」とテロップで紹介されている画面を「証拠」として提示している。
同団体は「現在、特定の報道機関が『反社会的団体』であるかのように報じている当法人および当法人信徒が、安倍元首相銃撃事件が起こるまでは多くの報道機関から確かな信頼を受けて、番組づくりに協力し、密接に関わってきたことは疑いようのない事実です」と主張し、事件前は大手メディアと密接な関係があったと指摘した。
旧統一教会問題をめぐっては、教団の信徒がボランティアとして政治家の選挙スタッフとして働いていたことなどが問題視されていた。多くの政治家は「信徒だと知らなかった」「一人一人を身元確認するのは現実的でない」「手伝いに来てくれた人を追い返すわけにはいかない」などと主張し、それを無責任だと批判するメディアもあった。
しかし、教団側が主張するように『24時間テレビ』に信徒が7年間も関与し、ボランティアのまとめ役になっていた上に番組側が団体名まで把握していたとなれば、政治家を糾弾してきたメディアの立場が揺らいでしまうことになりかねない。
「24時間テレビもアウト」の声も
これにネット上では「選挙ボランティアとして絡んでもアウトだと批判してたんだから『24時間テレビ』もアウトだよね?」「日テレは旧統一教会を叩きまくってるけど、特大のブーメランだな」「日テレだけじゃなく他局もめっちゃありそう」「これを日テレや他局が全スルーしたらマスコミの信用度ガタ落ち」などと厳しい声が飛び交っている。
その一方で「テレビ番組のボランティアと選挙スタッフでは影響の大きさが違う」「選挙ボランティアは政治家が教団に便宜を図るようになるかもしれないのが問題なわけで……」といった意見もあり、物議を醸しているようだ。
また、教団側は「当法人信徒(20代後半・女性)による自殺未遂事件が起こってしまいました」とも明かし、その原因が「特定の報道機関による過激な偏向報道」であると主張。「自殺未遂事件の原因にまで発展した、特定の報道機関による過熱報道に対して、当法人は再度、事実に基づいた報道と、憶測に基づく偏向報道の停止を強く要求します」と訴えている。
いずれにしても、『24時間テレビ』の放送直前に“爆弾”を投下してくるあたり、旧統一教会の「手強さ」をうかがわせる。メディアは自分たちの行いを見つめ直し、気を引き締めてかからないと足元をすくわれるおそれがありそうだ。