国際政治学者の三浦瑠麗氏が、夫の経営する会社が太陽光発電に関する10億円の投資トラブルで家宅捜索を受けたことで「テレビ界追放」の危機に陥っている。
今月19日、三浦氏の夫・三浦清志氏が代表を務める投資会社「トライベイキャピタル」の本社と自宅が東京地検特捜部の家宅捜索を受けたと報じられた。兵庫県での太陽光発電所の建設を名目に別の投資会社に出資を持ちかけたが、実際には建設の見込みはなく、約10億円をだまし取ったとして刑事告訴されたという。
同日、三浦氏は自身が代表を務めるシンクタンク「山猫総合研究所」のサイトで、夫の会社が家宅捜索を受けたことを認めた上で「私としてはまったく夫の会社経営には関与しておらず、一切知り得ないことではございますが、捜査に全面的に協力する所存です。また、家族としましては、夫を支えながら推移を見守りたいと思います」とコメントを発表した。
しかし、三浦氏の「一切知り得ないこと」という言い分には疑問の声が集中している。それというのも、清志氏の「トライベイキャピタル」と三浦氏の「山猫総合研究所」は住所が同じで、登記日まで一緒だからだ。
さらに、三浦氏は政府の「成長戦略会議」において、「例えば屋根のせの太陽光と、小規模の荒廃農地に対する太陽光パネルの設置などの案件に関しては、もう少しスピードアップしていかないと、恐らく期待する投資額にまでいかないのではないか。しっかりと政府が議論の時間管理をしていくべきではないかと思う」と発言するなど、再三にわたって太陽光発電を推進する意見を出していた。
「成長戦略会議」メンバーとしての三浦氏の発言が政府のエネルギー政策などに影響を与えた可能性はある。一部報道によると、特捜部は清志氏と政界関係者のつながりに注目しているといわれ、もしも今回の10億円投資トラブルに政治家や公的機関などが絡んでいた場合、政府会議における三浦氏の発言の意味は非常に大きくなり、さらなる大きな疑惑を呼ぶことになるおそれもある。
夫と同じ場所に会社を構え、本来なら国際政治学者にとって畑違いともいえる太陽光発電を推進する発言を繰り返していながら、何も知らなかったなどということはあり得るのか……とネット上で疑問視されているようだ。業界内にもそういった意見はあり、22日に放送された情報バラエティ番組『サンデージャポン』(TBS系)では、三浦氏と共演経験もある元衆院議員の杉村太蔵氏が「まったく知らないと言っているが、そんなことあり得るのか」「会社が同じ住所で登記した日も同じ。これまでの(三浦氏の)太陽光に関する発言をいろいろ聞いていると、『本当か?』という声があるのもわかる」と疑問を呈した。
ただ、現在のところ三浦氏が夫の会社に関与していたと確認できるような決定的事実はない。しかし、それでも今後のテレビ出演には大きな影響が出る可能性がある。
近年のテレビ業界はコンプライアンスの徹底によって「不安要素があるなら降ろしてしまおう、使うのをやめよう」という風潮が強まっており、夫の事件が不起訴になれば問題ないだろうが、もし逮捕などによって事件化された場合は三浦氏もテレビ業界的に「アウト」と判断されかねない。また、それ以前の段階で「ひとまず使うのはやめよう」と起用を控えるケースもないとは言い切れない。
さらに、三浦氏は2019年に自身のTwitterで「太陽光発電にはダメな業者がたくさんいる。それは事実であり取り締まっていくべきです。ただ、一部の業者が無責任であったことをもって電源全体をけなすのはナンセンスなのです。ましてや、原発を推進する理由にはならないのです」などと発言していたが、これに2ちゃんねる開設者の「ひろゆき」こと西村博之氏が「こんなん笑うやろ」とツッコミを入れるなど、ネット上でネタ化されている。これによって三浦氏の観察眼や発言の説得力が薄れるとの見方があり、テレビ局が起用を自粛しなくとも自然とコメンテーターとしての需要が低下していくのではとの意見もあがっている。
目下、業界内で注目されているのは三浦氏が木曜レギュラーを務める情報番組『めざまし8』(フジテレビ系)のジャッジ。26日の放送に三浦氏が出演するなら当面は「起用継続」ムードになりそうだが、姿がなければ雪崩的に各局が起用を取りやめ、テレビからフェイドアウトしていく可能性もある。女性論客の頂点に君臨してきた三浦氏にとって、ここが大きな正念場となりそうだ。