橋本愛、トランス女性めぐる「入浴施設・トイレは身体の性に合わせて」発言を謝罪…「現実的な意見」と擁護論も

　女優の橋本愛が5日、「トランス女性（＝性自認は女性で身体は男性）」の入浴施設や公共のトイレなどの利用について、「体の性に合わせて区分する方がベター」などと発言したことについて謝罪した。「認識が甘かった」という声がある一方、SNS上では橋本を擁護する動きが活発化し、賛否を呼んでいるようだ。

　橋本は自身のInstagramのストーリーズで、「入浴施設や公共のトイレなど、そういった場所では体の性に合わせて区分する方がベターかなと思っています」と切り出し、「もしかしたらLGBTQ+の方々にとっては我慢を強いられるような気持ちになるかもしれませんし、想像するととても胸が痛くなります。けれど私は女性として、相手がどんな心の性であっても、会話してコミュニケーションを取れるわけでもない公共の施設で、身体が男性の方に入って来られたら、とても警戒してしまうし、それだけで恐怖心を抱いてしまうと思います」と訴えた。

　続けて「そんな態度をとって傷つけたくもないですし、その制度を悪用した犯罪が発生することは絶対に阻止しなければならないと思います。この件に関しては、LGBTQ+の当事者の方々が自ら、特に女性にとってリスクが高いと声を上げてくださっているのをお見かけするので、その気持ちに深く感謝しています」とし、トランス女性に配慮しながらも女性の安全の観点から持論を展開した。

　政府が今国会中の成立を目指している「LGBT理解増進法（LGBT法案）」について、一部で「男性器のあるトランス女性の女性スペース利用の是非」や「男性がトランス女性だと言い張って女性スペースに侵入する懸念」といった観点で議論が起きており、橋本がそれに私見を述べた格好だ。これに対して、ネット上で「トランス差別ではないか」「トランスジェンダーへのヘイト発言になる」といった批判が噴出した。

　そうした意見を受けて、橋本はストーリーズで「ヘイトの気持ちなどまったくなくても、あらゆる観点から色んな人の気持ちを考えてやっと言葉にしても、無自覚に人を傷つけてしまったこと、反省しています」「傷つけてしまった方々、ごめんなさい」と謝罪。さらに「もう二度と、考えの至らないまま発言をしてしまわないために、何よりこの世界に生きる誰かをこれ以上傷つけてしまわないために、今私が約束することは、今後必ずアップデートし続け、学び続け、そして行動し続けるということです」などと記した。

　この一連の騒動を受けて、SNS上では「ひとつの建設的な意見なのに…謝る必要なんてない」「至極当然な意見で、トイレやお風呂で会っただけじゃどんな人か分からないんだから身体的な性で判断するしかない」「橋本さんの発言は差別じゃなくて、現実的な意見だと思う」といった声が続出。 「#橋本愛さんに連帯します」なるハッシュタグも生まれ、擁護論が湧き起こったことで賛否両論となっている。

　LGBT法案をめぐっては、ゲイを公言しているタレントの楽しんごがInstagramのストーリーズで「ゲイだけどLGBT法案は絶対にダメ」「全国の旅館・温泉組合・銭湯・旅行会社の経営者や責任者はLGBT法反対を表明すべき」「男女別更衣室や部屋のある全ての企業が危機感を持て。ボケーとしてると潰れる」と訴えたことも話題に。また、芸人のビートきよしがTwitterで「これがまかり通ったら心が女と言えば俺も女風呂入れるってことだよね」「海外で190(センチ)ある見た目も体も男だけど心は女っていう水泳選手が大会で優勝しまくってるらしいじゃない。風呂だトイレだ以外にもめちゃくちゃなってるぞ。どうするの？」などと問題提起したことも物議を醸した。

　海外では、米カリフォルニア州で17歳の少女がジムの更衣室で裸のトランス女性と遭遇し、男性がいると認識した少女が恐怖を覚えて施設に苦情を申し立てるも「すべてのトランスジェンダー女性に女子更衣室を使用する権利があります」と、逆に叱られたという騒動があったと1月に報じられた。このトランス女性は元海軍の退役軍人で、過去に女子更衣室の使用を拒否したジムを相手取って裁判を起こし、勝訴していた。日本でもLGBT法案が成立したら同様の事例が起きる可能性があるともいわれており、その是非をめぐって今後さらに議論が過熱していきそうだ。