今回は、日本を代表する2つの私立大学、早稲田大学と慶応義塾大学の卒業式会場前で、くぐり抜けた就職活動の感想や、社会人生活を目前に控えた現在の心境、そして将来に向けた抱負などについて本音を聞いた。
まず、自身の就職活動を振り返ってもらったところ、「先輩からキツイと聞いていたが、予想以上にキツかった」(女子/商社)といった声が多かった一方、「氷河期という感じではなかった」(男子/住宅)、「やるべきことをきちんとやれば内定は取れると感じた」(男子/運輸)、「企業が女子学生採用に積極的になっていると、ひしひしと感じた」(女子/インフラ)など、景気回復の予兆を感じさせる声も多く聞かれた。
また、採用する企業側への印象としては、「(企業から)学歴ではなく人を見られていると感じた」(男子/広告)という感想が聞かれる一方、「他大学の友人は相当厳しそうだった。正直、学歴に助けられた部分はある」(男子/住宅)と感想が分かれ、企業ごとの採用方針の違いが表れた。
ちなみに、同じく就活をしていた周囲の同級生たちの様子を聞いたところ、「希望通りの業界に内定した人は少数」との声が大半で、依然として厳しい就職戦線が続いている様子がうかがえるものの、「国際系学部の学生は就職に有利」との感想が複数聞かれた。
●社会人生活間近の心境は?
次に、社会人生活を間近に控えた現在の心境について聞いたところ、やはり「期待と不安が半々」(男子/人材)、「社会人の先輩がよく『学生に戻りたい』と言っているので、学生のままでいたい」(男子/食品)、「働きたくない」(女子/IT)と不安の声が半数以上だった。しかし、「学生時代と生活サイクルが変わるので不安もあるが、大企業の中で仕事ができる期待のほうが大きい」(男子/商社)、「大学での専攻とまったく関連のない仕事に就くので、まっさらな状態で新しいことに取り組めるという期待が大きい」(男子/金融)と期待にあふれる心境を語る学生も少なからずみられた。
このほかにも、将来に向けた抱負としては、「長い間学生として社会のお世話になってきたので、これからは仕事で社会に恩返しをしたい」(男子/人材)、「広告で日本を元気にしたい」(男子/広告)といった頼もしい意気込みが聞かれた。また、「早く幸せな家庭を築きたい」(男子/住宅)、「学生時代は飲みに行く時なども極力お金を使わない生活をしてきたが、就職してたくさんお金を稼げるようになっても、そういう意識を大切にしていきたい」(男子/商社)と私生活面での目標を挙げる声も聞かれた。
晴れ着を身にまとい一様に笑顔で答えてくれた卒業生たち、今後の活躍に期待したい。
(文=編集部)