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アドトラックではないものの、この条例に違反し、大きく報道された例が小田急電鉄。11年9月、同社では川崎市に藤子・F・不二雄ミュージアムが開館したことを記念し、ドラえもんなどを使用したラッピング車両を走らせていた。しかし、この列車は東京都に対する事前許可を申請しておらず、車体面積の1/10までと決められている広告面積も規定よりも広いものだった……。広告業界に詳しい人物は、事の経緯を語る。
「小田急グループには、小田急エージェンシーというお抱えの広告代理店があります。手続きをわかっている同社を通してこの広告を展開していれば、何も問題にはならなかったはずですが、問題となった広告は小田急本社の企画室が実施していたんです。子供も喜び、評判は上々だったんですが、東京都による条例違反公表によって一転大問題となり、テレビ・新聞などで報道されてしまった。そこまで厳しい措置を取らなくても……というような些細な違反です。あくまで推測ですが、おそらくその後の都への対応もまずく、なにかしらのトラブルがあって公表という事態にまで発展したのではないでしょうか」
さらに、アドトラックにかけられた規制には、別の意図もあるという同氏。「東京都屋外広告物条例施行規則」改正同日、東京都は「暴力団排除条例」を施行した。
「アドトラックを使って風俗関係やポルノまがいなどのグレーゾーンの企業宣伝を手がけるのは、やはり広告主と同じように『通常じゃない』会社。アドトラック規制の側面には、こういった業者を排除し、裏側に潜んでいる暴力団へと流れる資金を断つという狙いもあるんです」
暴力団とアドトラック。このグレーな関係を断ち切るためにも、違法なアドトラックには厳しい視線を投げかけていきたい。
(文=萩原雄太/かもめマシーン)
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