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ワタミ前会長の渡邉氏、ブラック批判に憤慨「ふざけるな」「赤字は風評被害」

2014.07.18 2014.07.18 00:13 社会

 ワタミは14年3月期の最終損益で49億円の赤字に転落した。既存店の来客数低下により、10年ぶりに売上高が下がったことが主な原因だ(7%減)。居酒屋など外食部門全体の営業利益は19億円の赤字に転落した(前期は30億円の黒字)。

 企業イメージが悪化するにつれ、客数は減少の一途をたどっていた。また、今年4月に入社した新卒社員は120人と、目標の半分にとどまるなどして、正社員やアルバイトの確保が難しくなっているため、15年3月期に全店舗の約1割、60店舗を閉鎖する事態となった。

「赤字転落の原因は、ブラック企業と見なされたから」とのメディアの論評が、よほど不満だったのだろう。渡邉氏は講演で、客離れの原因について「マーケットの変化によるものだ。みんな酒を飲まなくなった。週3日以上酒を飲む人が10年前は男性で35%、女性で15%いたが、今ではそれぞれ15%、8%だ」と主張した。チェーン店であることが強みではなくなったことも挙げた。

 さらに「今は外食がダメで介護と宅食を主力に据えているが、今年は介護も宅食も伸びなかった。予想より5%低かった。これは風評被害だ」と、怒りをにじませた。

 女性社員の自殺については「一生の不覚。生涯の十字架だ」と反省の弁を述べつつも、「ブラック批判に対しては、ふざけるなという思いだ」と強気の姿勢は崩さなかった。

 低姿勢の経営陣とは対照的に渡邉氏の冗舌が際立った講演会で、総会はまるで渡邉氏の講演の前座のようだった。
(文=編集部)

BusinessJournal編集部

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