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まるでブラックジョーク。『プロメテウスの罠』が哭いている

朝日新聞凋落の戦犯をジャーナリズム大賞選考委員にした早稲田の見識

2012.10.08 2012.10.08 14:32 社会

「記者としての能力は低いが、とにかく嫉妬深い人物で、若いころから上司への讒言で同世代の同僚を追い払うことに余念がなかった」(朝日OB)といった声もある。新聞社の社長になってはいけない人物が社長になったことに朝日新聞のジャーナリズム衰退の本質的な原因がある。

 原発問題に関しても箱島氏は味噌をつけている。朝日新聞社の外郭団体である公益財団法人・日本対がん協会が昨年9月、「朝日がん大賞」に福島県立医科大副学長の山下俊一教授を選出したことが物議を醸した。福島県の地元では、山下氏は「100ミリシーベルトまでなら大丈夫だ」と言って避難を遅れさせた張本人とされ、こんな賞をもらっていいのかといった声が出て、朝日新聞社にも抗議の文書や電話が殺到したが、この日本対がん協会の理事長に天下っていたのが箱島氏なのである。読者目線の欠落した賞であった。

 ジャーナリズムの基本は、読者の知る権利にわかりやすく応えることにあると、筆者は思う。だから、読者目線は記者活動の原点にあるべきだとも感じる。これは、読者に迎合しろというわけでもないし、ポピュリズムのように大衆受けすることでもない。ジャーナリズムの原点を問う報道であった『プロメテウスの罠』に対する栄誉ある賞に、ジャーナリズムを衰退させた箱島氏が選考委員に選ばれていることは、まるでブラックジョークのようだ。

 早稲田大学広報室に選考委員の人選理由を尋ねると、「過去の実績からみて相応しい人を選んだが、個別委員の選出理由については答えられない」との回答だった。

 箱島氏は自分の胸に手を当てて早急に委員を辞任すべきである。
(文=井上久男/ジャーナリスト)

BusinessJournal編集部

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